満タンなのに噴射しない! 寒冷地で凍るウォッシャー液の対策とは

液の濃度を高めることで凍結温度を下げることができる

 冬場。とくに雪の降ったあとや”みぞれ交じりの雪”などが降っているときは視界確保のために、わりと頻繁にウインドウォッシャー液を噴霧する機会がある。しかし外気温が氷点下になると肝心なときにウインドウォッシャー液が凍ってしまい、利用できなくなることも!

 ウインドウォッシャー液の凍結を防ぐには、ウォッシャー液の濃度を高めておくことが重要だ。カー用品店などで売っているウインドウォッシャー液の主成分は、エタノール(アルコール)。普通はこれを水で希釈して使うわけだが、冬場はその濃度が重要。

 例えばエタノールが10%ぐらいのウインドウォッシャーの原液の場合、冬以外なら原液1:水1ぐらいの割合が標準。ただし、この濃度だとマイナス2度ぐらいで凍結する。でもこれを原液100%で入れれば、凍結温度はマイナス6度ぐらいになる。それよりも低い温度の地域を走るときは、寒冷地用のウインドウォッシャー液(メタノール40〜45%)を投入。

 こうしたものなら原液1:水2でも凍結温度はマイナス8度で、原液1:水1なら凍結温度はマイナス13度、原液100%なら凍結温度はマイナス40度(いずれも目安)となる。外気温度に合わせウォッシャー液の濃度を調整するのが一番有効だ。

 ウォッシャー液の濃度が薄くてすでに凍ってしまったという場合は、エンジンをかけた状態で待機し(視界が確保できれば走り出してもいい)、エンジンの熱でウォッシャータンクやウォッシャーのホースが温まり、凍ったウォッシャー液が溶けるのを待つしかない。

 また、ウォッシャー液の出口のノズルが雪や氷でふさがっている場合もある。この場合は、雪や氷がついていたらあらかじめ取り払って、もしもノズル付近が凍っているようならぬるま湯等で溶かしておこう。稀に季節に関係なくワックスなどでノズルが詰まっている場合もあるので、そうした場合は安全ピンの針の先などで詰まった穴を清掃すれば解決する。

 というわけで、冬場のウォッシャー液の凍結防止対策の決め手は、ウォッシャー液の濃度。ウォッシャータンク内のウォッシャー液の残量が半分以下になったら、凍結温度に余裕がある濃度に調整したうえで補充しておくのがベスト。

 濃度が薄いと、ウォッシャー液は無事に噴射されたとしても、ガラスに付着した瞬間に凍結して、視界が最悪になることもあるので要注意。凍結温度と希釈の割合の関係は、ウォッシャー液の製品ごとに違うので、購入したウォッシャー液の容器に記載されている希釈表を確認すること。

 また、ウォッシャー液には、一般的な洗剤タイプと撥水タイプがあるので、両者を混ぜて使用しないよう気をつけよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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