入れていけない文字はあるがパトカーのような黒白の塗り分けも可
ボディカラーの選択肢が増えて久しい。かつては白/黒/銀(灰)ばかりという印象のあった乗用車も多彩なボディカラーをまとうようになっている。今やルーフとボディを塗り分けた2トーンカラーでさえ珍しくない。
ラッピングなどの技術も発達、それなりにコストはかかるが、愛車のボディカラーを自由自在に変えることも難しくない。この時代において、禁止されているボディカラー(車体色)はあるのだろうか?
結論からいえば、日本において禁止されているボディカラーはない。パトカーのような白・黒2トーンも可能(●●県警などの文字は禁止)であるし、いわゆる痛車のようにお気に入りのイラストを車体に貼ることも可能だ(こちらは著作権などに留意)。
もっとも公序良俗に違反するような文字やイラスト、写真をボディに貼ったりすることはNGだ。ボディにシートを貼り付けるラッピング技術を用いれば塗装ではむずかしいフルメッキボディに仕上げることも可能だが、こちらも周囲を幻惑するなどNG要素があるので注意したい。もっとも、保安基準を見る限りにおいては、どんなボディカラーに仕上げるのも自由だ。
とはいえ、かつては禁止されているボディカラーもあった。昭和30年代まで遡ると、なんと「赤いボディ」はNGだったのだ。その理由は緊急自動車である消防車と見間違える可能性があるというもの。そして、乗用車に赤いボディが許可されるようになったきっかけは、ホンダスポーツの始祖といえる「S360」にある。結局プロトタイプで終わってしまい、市販時には「S500」となったホンダスポーツだが、イメージカラーを赤にすると本田宗一郎氏が決断、当時の運輸省と交渉したことで、日本でも赤いクルマを販売できるようになったという。
真っ赤なスポーツカーが生まれるには、そうした苦労もあったのだ。