今でこそ品質は高いがかつての輸入車にはヒドいものも
日本車の進化は品質向上にあり、といってもいい。一方、輸入車は品質を考えていないということはないだろうけど、それだけではないのも事実。デザインだったり、スピードだったりと、品質以外の部分に重きを置いていることも多い。それはそれで個性という点ではいいのだが、予想外のトンデモトラブルが発生するのだ。
その1 けんかワイパーが本当にけんか
通常、ワイパーというのは同じ方向へパラレルに動くもの。その逆で、収納時は真ん中にふたつともあって、動くと左右に広がるというタイプもある。おしゃれな感じはするので、日本車でもなくはないが、一時力を入れていたのが、1960年代あたりのアルファロメオだ。ジュリアとかが輝いていた時代である。
その2 数千kmで切れるタイミングベルト
ボロ車というよりもボロブランドというのが正しいかもしれないが、1990年ぐらいのマセラティはすべてが品質極悪。今でこそフィアットのてこ入れもあって、世界に轟くプレミアムブランドだが、当時は経営がガタガタで、クルマもダメダメだった。 インパネの下やすき間からはなにかがはみ出ていたし、タイミングベルトは1万kmで切れることも珍しくなかった。長期に止めておくとエンジン内部でなにかが固まってストレスがかかるからか、エンジンをかけた途端にプチンとタイミングベルトが切れるというエピソードもあった。それも交換して5000kmというから腰が抜けた。
その3 ドイツ車だって弱い
日本車同様まじめなドイツ人が作るだけに、ドイツ車というのは品質もよくて壊れないと思っている人は多いハズ。じつはそうとも一概には言えないし、30年ぐらい前だとプミアムブランドはメルセデス・ベンツぐらいだった。BMWも今一歩だったし、アウディはVWのちょっといいやつ程度だった。アウディ80のATはすぐにゴロゴロしだし、ゴルフ2や3あたりだと、エンジンの振動がすごすぎて、エンジンマウントがぶち切れたりした。BMWもステアリングのアームが砕けたりと、まわりではポロエピソードがいっぱいだった。
その4 窓がストン
どの国のクルマというわけではなく、その3と同じく30年前ぐらいの欧州車はよくサイドのウインドウが落ちた。つまり電動にしろ手動にしろ、上げようと思ったらドスンという音ともにドア内側に落下。冬はきつかったが、その逆に開かなくなることも。そうすると高速の料金所ではいちいちドアを開けて払ったものだ。もちろんETCなんてない時代の話。
その5 王様の天蓋付きベッド
内張りというのは板に布を貼って作ってある。品質がそもそも悪いからか、それとも日本の湿気に耐えきれないのかはわからないが、新車からしばらくすると、接着剤が剥がれてビローンと布が垂れ下がってきた。まるで王様ベッドみたい、なんて喜んでいられるわけなく、頭にサワサワと触れたりして気持ち悪かったし、そもそも見た目が激悪だった。