スプリングの動きを抑制するための装置
クルマのサスペンションは複雑な構造をしているし、いくつかのパーツを組み合わせて成り立っている。そのなかで重要な役割を担っているのが、ショックアブソーバーで、ダンパーと呼ばれることもある。
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このダンパーはなぜ付いているのか? サスペンションの役割を考えると、スプリングだけで問題ないように思えるかもしれないが、それだけだとふわふわしたりポヨンポヨンと跳ねたりして、乗れたものではない。
そのスプリングの動きを抑えるのがショックアブソーバーで、スプリングの動きや働きを最適化するパーツである。簡単に言ってしまえば、ポヨンポヨンと跳ねるのを防止して、スッと縮んだり伸びたりさせるのが目的だ。だから、アブソーバーとは吸収材や減衰材という意味となる。
基本的な構造は意外に簡単で、筒の中にオイルが入っていて、真ん中に小さな流路(オリフィス)が設けられている。小さいのでスムースに流れないのだが、これにより強い入力を和らげる働きを生んでいる。だから、性能というのはオイルの硬さやオリフィスの大きさによるところが大きい。
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ただし、乗り心地の最適化というのは非常に難しいとされている。単純に上記のふたつでは決まらないのもまた事実で、筒自体の剛性や取り付け部分の剛性。支えているマウントの質。さらには出たり入ったりする、ロッドの摩擦などさまざまな部分が関わってくるだけに、構造は一見すると簡単でも、じつは奥が深いパーツと言っていいのだ。