ぶつけて壊れた場合もあるが練習時はあえて外すことも
フロントバンパーを外してサーキットを走行しているクルマを見たことはないだろうか。これは、主にドリフト走行会で見られる光景で、縁石などにバンパーをぶつけて落としてしまう前に、外しておくという予防的措置。
インタークーラーなどをむき出しで走っているのはリスキーに見えるが、それよりもバンパーを破損してしまうのを防ぎたいときもある。たとえば本番(ドリフト大会)が近づいていて、バンパーをキレイに保っておきたいとき。サードパーティ製のエアロバンパーはその多くがFRP製で、クラッシュをせずともちょっとした接触でバンパーが割れてしまう。採点競技であるドリフトの場合、きれいなボディであることもアピールできるため、バンパーが欠けた状態で走りたくないという心理は理解できるだろう。
もちろん、練習走行中の接触でバンパーが落ちてしまって、そのまま走っているというケースもある。というのもドリフトマシンに限った話ではないが、サーキット走行を楽しむクルマでは、バンパーをぶつけてもボディに被害が及ばないよう、バンパーをタイラップ(結束バンド)で固定しておき、衝撃で簡単に外れるようにしていることが多い。これはバンパーの装着部分をヒューズ的に位置づけることで、ちょっとしたクラッシュであればフェンダーなどが変形しないようにするアイデア。バンパーが外れるほどのクラッシュをしているように見えて、車体側にはほとんど影響していないからこそ、できるワザだ。
そもそもバンパーとはボディを守るために付けられていたものだが、このように限られた趣味の世界では、あえて外すことがあるというのは面白い。もちろん市街地でのバンパーレス走行は、突起物などの観点から歩行者への攻撃性が増してしまうのでNGなのは言うまでもない。