クルマ好きの言う「トラクションがかかる」ってどういう意味? (2/2ページ)

覚えておくと便利! 走りずらい路面でやるべき技

 また雨や雪、ぬかるんだ道などでタイヤが滑りやすいときは、ギヤもやや高めにし、駆動輪が空転しないようにアクセルをデリケートに踏まないとトラクションが抜けてしまう。FRなどで、スタックしたときは、トランクに人を乗せて、リヤの荷重を増やしトラクションをかけて脱出する裏技もある。

 コーナーの立ち上がりで、リヤタイヤがムズムズと横に流れそうになったとき、もっとアクセルを踏む量を増やして、加速=リヤタイヤにかかる荷重を増やし、それによってトラクションを増やす方法も! ただし、すでにアクセルの踏み過ぎでタイヤが横に滑りはじめている場合は、逆にアクセルを戻して、トラクションを取り戻さなければならない。

 4WDの場合は、エンジンパワーを4つのタイヤに分散できるので、ほかの駆動方式よりもトラクション面では有利。たとえば同じ200馬力のクルマでも、4WDなら一輪あたり50馬力になるが、二輪駆動なら一輪あたり100馬力になるので、単純計算で4WDは二輪駆動車の2倍のトラクションがかけられる。

 整理すると、トラクションをかけるには、

1)グリップのいい路面を選ぶ。もしくはグリップのいいタイヤを履く。

2)駆動輪に荷重をかける。車体の前後重量バランスの最適化。エアロパーツによって空気の力でダウンフォースをかける。アクセルオンによるリヤ荷重増(後輪駆動車)。

3)駆動輪を増やす=4WD化。駆動輪のタイヤのキャパシティを増やす。

 といったことが有効。

 そして、すべてに共通するのはアクセルを踏むこと。簡単にいえば駆動輪が滑らない範囲で、できるだけ高回転(低めのギヤ)で加速している状態が一番トラクションのかかっている状態だと思えばいい。レースの世界では誰よりもタイヤが滑るギリギリのところまでアクセルを踏んで、誰よりも長い時間トラクションをかけられることが一流のドライバーの条件になる。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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