メーター読みで制限速度を多少上まわるなら問題ないことが多い
高速道路をドライブ中、赤色灯を回さずに走行車線を走っているパトカー(白黒or覆面)に追いつくことは珍しくない。緊急走行中ではないパトカーは、当然制限速度の範囲内で走行しているので、実勢速度よ
りもかなりゆっくりで、追いついてしまったらできれば追い越したいところだが、パトカーを抜くのは気が引けるという面も……。
しかし、以下の2点を守れば、パトカーを追い越しても問題ない。
1)追い越し前は走行車線を走っていて、きちんとウインカーを出し、追い越し車線に出て加速をする。追い越しが終了したら、すみやかに走行車線に戻る(追い越し車線での走行は、2km以内が目安)。
2)制限速度の範囲内で抜いていく。とはいえ、パトカーも通常は制限速度ピッタリぐらいで走っているので、そのパトカーを厳密に制限速度を守りながら抜くのは難しいし、かといってダラダラ追い越し車線を走っていると、「通行帯違反」の対象になってしまう……。でも、パトカーの速度に合わせていると、そこから後ろに長い列ができて、渋滞のきっかけになることも!
というわけで、現実的には、制限速度の110%以内の速度でパトカーを追い越し、追い越しが終了したら、早めに走行車線に戻るのがベスト。制限速度の110%以内なら、速度違反でパトカーに追いかけられることはほとんどない。
なぜなら、クルマのスピードメーターの表示速度は、タイヤの摩耗、インチアップなどにも左右されることもあり、はじめからおよそ90%~106%の誤差が認められているため。これは車検時の基準(40km/h)で、速度が上がれば上がるほど、その誤差は広がる傾向がある。
しかも、通常、実際の速度よりメーターには高い数字が表示され(メーター読みで100km/hなら、実測は92~94km/hといったところ)、走行中のパトカーなら、パトカー側のメーターにも同じような誤差があるので、100km/h制限の高速道路で、メーター読みで110km/hぐらいならお咎めを食らうことはまず考えられない。(新東名の110km/h制限区間の直前直後などは、厳しい可能性も……)
余談だが、大型トラックの最高速度は80km/hに制限されているが、装着が義務化されている速度リミッターは、“余裕速度10km”を加えた90km/hに設定されている。また、パトカーによる速度違反の計測は、同一車線の追尾か、車載レーダー併用に限られているので、パトカーが走行車線、自車が追い越し車線を走行中なら、基本的に速度違反は問われないはず(パトカーが走行車線から追い越し車線に出てこようとしたら危ない。だからといって、圧倒的な速度差で追い越せば、パトカーも看過できなくなる)。
というわけで、ゆっくり走っているパトカーに追いついてしまった場合は、制限速度の110%以内を目安に、さりげなく追い越し、ウインカーを出して、車間距離をきちんと確保して(できればパトカーと自車の間に、もう一台他のクルマを挟むのが理想)、早めに走行車線に戻るようにしよう。
もちろん、そのままパトカーを追い越さないという選択もあり、追い越す場合はメーター誤差を考えて実際の制限速度を上まわらないという条件下での内容なので、そこはあくまで自己責任で判断してほしい。