ワインディングでは4WSを装備したメガーヌの楽しさが光る!
今回もっとも走り応えがあったのは「高野龍神スカイライン」。40㎞を超えるドライブウェイで、壮大な自然のなか走りを楽しめる。ワインディングから市街地での走りを含めて、まとめていこう。
●フォルクスワーゲン・ゴルフ
街中でも高速道路同様に過不足なく、そして走行環境における印象の変化率が少なく仕上げられている。スポーツモードにするとハンドルが人工的に重くなり、グリップ感がつかみづらいのは気になるが、DSGの歯切れのいい変速とダイレクト感が、スポーティドライブの気持ちよさを一層高めてくれる。
それでいて燃費性能がどのステージでもいいのだから恐るべし。今回はジワジワと染み渡るようにゴルフのよさ、そして強みを再認識させられた。
●スバル・インプレッサ
乗り心地や狭い道での走りやすさまで含めて、走りはゴルフを凌駕するレベル。今回はターボモデルが多いため、NAでは加速などでパワー不足感があると予想していた。しかし予想に反して、CVTが賢く2リッターエンジンのおいしい領域を引き出し、むしろ一番いい仕上がりだったことに驚いた。スポーティドライブ時には上り坂でトルク不足が少し気になった。
ハンドリングにおいては、4WDの安定感と旋回力が高次元でバランスされている。しかしハンドルからビシッとした手応えが帰ってこず、走りの高揚感がないのが残念である。
少々気になるのは実用燃費だ。スバル車全般に言えることだが、ここがよくなると商品力は一気に高まるのだが……。
●ルノー・メガーヌ
ワインディングでのこのモデルの気持ちよさは格別だ。まるでボディがひとまわりもふたまわりも小さく感じる軽快な走りを実現。これはリヤからも曲がる力を発生できる、4コントロールと呼ばれる4輪操舵機構がなければできない。4輪操舵の威力はすさまじいと実感。
メガーヌGTはキャラクター的にその効果をスポーツに割り当てた印象だが、4輪操舵は車両の傾きを減らすなど快適性にも効果を出せるので、コンフォート方向で仕上げたらゴルフ越えの高バランスも可能だろう。
トランスミッションはゴルフよりも穏やかにクラッチ変速させる味付けで、歯切れのよさはゴルフだが、変速ショックの小ささや街中での滑らかさ、発進のスムースさではメガーヌが優れている。エンジンは低回転から力強く、4000rpmからさらに一段力強くなる味付けがあり、高揚感もあって好印象だ。
●ホンダ・シビック
エンジンとトランスミッションの完成度はトップだ。回転調整を積極的にできる優れたCVTとターボの相性がよく、ダイレクト感まで備えている。
しかし、ハンドルの手応えはイマイチで、しかも小まわりが利かない。乗り心地もコツコツ感があるし静粛性も高くない。せっかくのロングホイールベースを活かしきれていないのが残念だ。
とはいえシャーシを含め基本性能はいいのだから、どのような方向性で熟成していくのか、今後が楽しみなモデルである。