高速道路では約7割が装着している
ドライバーのシートベルト着用は、定着しているが、後部座席に自分が座るとき、誰かを乗せる時、しっかりと着用しているだろうか。
JAFは、警察庁と合同で10月1日から10日までの間、全国881カ所で実施した「シートベルト着用状況全国調査2017」の結果を公表する。あわせて事故防止を啓発するためにインフォグラフィック「シートベルト着用有無が明暗を分ける」をJAFホームページにて公開した。
2008年から義務化された自動車の後部座席シートベルト着用。9年が経過した今年の調査結果では、一般道路におけるシートベルト着用率は運転席が98.6%、助手席は95.2%と高いこと(100%でないことが残念)に対し、後席では36.3%にとどまった。これは、約3人に2人の63.6%が後席ではシートベルト非着用ということであり、2016年の調査結果36.0%に比べて増加はしているものの、依然として現状は低い数値だ。
高速道路での着用率はどうだろうか。運転席は99.5%、助手席は98.3%とほとんどの人が着用していることがわかる。後席では74.4%と前年比2.6%の増加しており、過去最高の結果ではあるが、約4人に1人の25.6%が非着用とまだまだ低い状況である。
運転席や助手席の人が非着用だと、万が一の事故で命が危険にさらされるイメージは沸きやすい。しかし、実は後席の非着用が招く事故のダメージも想像以上なのだ。
非着用による3つの危険として、「本人が致命傷を負う」「衝突の勢いで車内の同乗者にぶつかり同乗者に致命傷を負わせる」「そして車外放出」が挙げられる。車外放出については、クルマが横転した際にサイドドアの窓から投げ出されるケースや、後席の中央近くに座っている人が、フロントガラスを突き破って車外に出てしまったケースもある。
前席に比べて、後席は外からシートベルトを着用しているかを確認しにくく、取り締まりを運よく潜り抜けることもあるだろう。また、高速道路での非着用は違反点数1点の罰則があるが、一般道においては罰則対象ではなく注意のみで終わってしまう。
少しくらいなら、見えないからいいだろうではなく、自分だけではなく大切な同乗者の命を守るためにも着用はするべきだ。また、ドライバーも後席への着用の声掛けを積極的に行ってほしい。
国土交通省は今年の6月に、シートベルトをせずに走行すると警報音が鳴る「シートベルトリマインダー」の設置を、2020年9月1日以降に発売されるすべての新型乗用車に義務付けることが発表している。
現在も全席にリマインダーを装備している車種もあるが、普段後席に人を乗せないなどの理由から、警報音のキャンセラーを入れている人も見かける。確かに荷物を載せただけでずっと警報が鳴ると鬱陶しいかもしれないが、着用率向上と交通事故抑制効果があることを忘れないでほしい。
これから年末年始にかけて、帰省や遠出をする人も多いだろう。シートベルトを正しく全席着用し、どうか楽しく安全なドライブを。