オイル警告灯があるのにエンジンにスティック状のオイルゲージがある理由とは?

警告灯はオイル量ではなく油圧! 量の警告灯実現は意外と難しい

 メーターにはスピードやタコメーター以外に、いろいろな警告灯がある。各部の状態に異常があれば、点灯や点滅してドライバーに知らせてくれるというのがその機能だ。オイルレベルゲージ

 わかりやすくアイコン的なデザインとなっている。と言いたいのだが、勘違いしやすいものも多かったりする。たとえば、バッテリーの形はバッテリーそのものではなくて、充電系の不具合。サイドブレーキの真ん中にある「!」マークは、ブレーキフルードの量の警告だ。ちなみに、警告灯はISO規格で定められた世界共通のものとなっている(その昔は国によってバラバラ)。

 そして、オイルジョッキの形をしているのはというと、オイルの量と思いがちだが、油圧。つまり、エンジン内部を循環させるオイルを送り出す圧力をモニターしているもので、量そのものではない。減っても警告灯が点くが、オイルがオイルパンから吸い出せなくなるまで減らないとダメ。そこまで行くと、オイルレスと同じになので、エンジンは壊れてしまう。

 ここでひとつ疑問が湧いてくる。油圧がわかるのはいいとしても、量の警告灯を別途付けることはできないのか? もちろんコストを無視してできるならやれないことはないが、これがかなり難しい。

 理由はいろいろとあって、まず警告灯を使うのはエンジンが回っているときというのは当然だ。その場合、オイルはどんどんと吸い上げられ、循環したオイルが上から落ちてくる。つまり内部はジャバジャバになっている状態で、正しい油面というのはわからない。そのほか、加速や減速、コーナーなどでGがかかると内部も揺さぶられるので、この場合も正しい量を測るのは無理だ。

 さらに停止状態でいいからセンサーでモニターするとなると、エンジンが真っ直ぐなときは警告灯が消えて、傾くと点く、なんていうことにもなりかねない。パカパカと点いたり消えたりで、目障りなだけだ。

 そうなると、警告灯は断念して、停止中にできるだけまっすぐなところで、エンジンに刺さっている点検用のディプスティックを抜いて確認するのが、すべてにおいて優れているということになる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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