三菱コルトギャランも隠しライトを採用していた
ライトというのは、前を照らすもの。形はどうであれ、フロントにそのまま付いているものだと思い込んでいたのだが、そんな既成概念がガラガラと崩れ去ったのがスーパーカーブームだ。カウンタックやフェラーリ、さらに当時はスーパーカーよりも格下扱いだったトヨタ2000GTのライトにはフタが付いていたのだ(それ以前からあったが)。
今でいうところのリトラクタブルライト。当時は隠しライトなんて呼んでいた。パカっと開くなんていうのは、当時の大人も、そしてスーパーカーに狂うちびっこの頭の中にはないものだっただけに、狂気乱舞だった。ちなみに現在は前方下方の視界を妨げるものとして、法規的に採用は不可能となっている。
ロータス・エラン
そのほかにも変わり種ライトを探してみると、これがけっこうある。リトラクタブルライトでも、ロータス・エランは開閉機構がユニークで、モーターではなく、なんとエンジンの負圧(空気を吸い込む力)を利用している。だから、パカッというよりは、ダラっと開く。
オペル1900GT
そして、開き方自体でも面白ライトはある。リトラクタブルのようななんというか、常識を超越した開き方をするのが、オペルの1900GT。当時はこれもスーパーカー扱いだったし、ぱっと見は普通のリトラクタブルライトなのだが、横からどんでん返しのように開く。まさにダチョウ倶楽部ばりのクルリンパ。こちらはパカッというより、バタンといった感じだ。(取材協力:2013年ニューイヤーミーティング)
ランボルギーニ・ミウラ
リトラクタブル以外を見ていくと、スーパーカーではミウラだろう。普段は上を向いていて、ルパン三世の銭形のとっつぁんばりのように上下のまつ毛みたいなデザインがチャームポイント。点けると後ろが立ち上がって前を照らすという、デザインと機能を両立させたもの。さすがガンディー二巨匠だ。
アルファロメオ・モントリオール/シトロエンDS
そのほか、樹脂やガラスでできたケースのようなものの中に入っているのは、アルファロメオのモントリオールやシトロエンDSなどがある。なかでもDSはあらゆる部分が変態で有名なクルマだが、今では当たり前のステアリングと連動して左右に動くという、画期的なものだった。
三菱コルト・ギャラン
そして日本にも少ないけど、変わり種がある。その代表格が、コルト・ギャラン。いわゆるギャランの初代で、前期型は角目の前にルーバー状の格子が付いているのがポイント。ジウジアーロがデザインに関係していたからか理由は定かでないが、ワルな感じがムンムン。残念ながら丸目に変更された時点で廃止されたし、現在の法規ではライトの前をルーバーで遮るというのは許されないのは、残念。
フォード・トリノ/ダッヂ・チャージャー
最後にアメ車から。そもそもコードなど、リトラクタブルヘッドライトを戦前から採用していた国だが、1970年あたりに流行ったのが、いわゆるフタ。普通にライトが付いていて、ふだんはフタしてあってオンにすると、開いて上に収納されるという仕組み。フォード・トリノやダッヂ・チャージャー。キャデラックにもあった。