お買い得車や福袋もあるが値引きの面にも注目
年が明けると1年でもっとも新車が売れるとされている“年度末商戦”が事実上スタートする。ここ数年は、より好条件(値引きなど)でベストな新車を購入するためにはスタートダッシュで勝負を決することが良い結果を生む傾向が強まっている。
以前は買う側はもちろん、売る側も正月気分が抜けきらないために、1月は新車ディーラーでは年間でも有数の“新車販売苦戦月”となっていた。しかし、人気車を中心に納期遅延が目立つようになると、少しでも早く契約をもらい年度末商戦の販売実績につなげようと1月から活発な販売促進活動を展開するようになった。そのなかで注目されるようになったのが“初売りセール”である。
初売りといってもスーパーなどとは異なり、元旦から店を開けることはないが、毎年全国規模でスズキとダイハツは正月3日から店を開け、初売りセールを展開している。
ちなみにある地域の2018年の各ディーラーの初売りセール日を調べたので以下に記してみることにする。
■トヨタ系
・トヨタ店 5日
・トヨペット店 6日
・カローラ店 5日
・ネッツ店 6日
■日産系
・日産店 4日
・プリンス店 3日
・サティオ店 3日
■ホンダ系 4日
■マツダ系 4日
■スバル系 5日
■ダイハツ系 3日
■スズキ系 3日
■レクサス系 5日
2018年は最初の週末が6日と7日となることもあり、全般的に早いうちから店を開けるようになっている。以前はスズキとダイハツに加えてマツダも全国的に正月三が日から初売りセールを行っていたが、2017年正月より全国規模での三が日からの営業は取りやめている。ただ2018年の初売りの様子をみていると、調べた地域外の一部では3日から店を開ける地域もあるようであった。
初売りセールは普段なかなか新車ディーラーに足を運ばないようなひとも集客しようという目論みもあり、“福袋”と称した大盤振る舞いした内容の来店記念品(店にくれば誰でももらえる)が多数用意されていたりする。また“お年玉特価車”などと称したお買い得車も多く設定されていたりする。さらに制約特典としても温泉旅行など豪華なものが設定されることが多い。
3日や4日から店を開けるディーラーについては、その日は半数出勤などで対応していることも多い。となると、いつもはセールスマンは値引きアップを上司からもらうときに、直属の上司がディーラー本部へ“おうかがい”を立てている“幹部社員”の数も少ないことになる。となると、値引きアップもトントン拍子に進みやすいこともあるのだ。
初売り自体もとくにダイハツやスズキでは長い間初売りセールを重視してきたこともあり、このタイミングで代々愛車の代替えを続けているひとがいたり、仕事の都合で正月休みぐらいしかまとまった時間がとれないというひとが、初売りのタイミングで新車を購入するケースもあり、思っている以上に実際に受注につながることも多いとのことである。
何も初売りで絶対新車を買わなくてもその効果は大きい。初売りセールでは受注をもらうことも大切だが、その後販売促進活動が展開できる新規のお客を獲得するという意味合いでも重視されている。
正月休みに特段やることがないならば、福袋目当てで来店するひとも多く、いつもより新車ディーラーの“敷居”は低くなり訪れやすくなっているので、“様子見”程度で顔を出しておくのもいいだろう。
なお大型ショッピングモールに新車ディーラーが出店しているケースもある。この場合はショッピングモールは年中無休なので当然元旦から営業している。元旦から真剣に新車購入の商談をしているひとも多いようである。