走りを楽しむためのアイテムが酔いにも効果あり!
最近、子育て世代や愛犬家に注目されているのが、マツダのG-ベクタリング コントロールだ。ステアリング操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させ、クルマの4輪の接地荷重を最適化。応答性と安定性を高める世界初の新発想の技術で、カーブやレーンチェンジなどあらゆる走行シーンでのスムースな車両の挙動を実現する。
たとえば日常走行で真っ直ぐ走っていてもその効果は絶大で、路面の凸凹やうねり路などで無意識のうちに操作しているハンドルの修正を低減し、思い通りに走れて安定感とクルマとの一体感が増す。そのため運転の自信が高まり、それこそ長時間の走行でもドライバー&乗員(犬含む)の肉体的・精神的疲労度を劇的に軽減してくれるのだ。
結果、子どもやペットのクルマ酔い防止にも効果がある。それを受けて、G-ベクタリング コントロールはクルマに酔いやすい子供に優しい技術として「第10回キッズデザイン賞」(子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門)を受賞したほど。車内でどこかにつかまれない犬やクルマ酔いしやすい犬にとっても、じつに役に立つ技術というわけだ。
ただ、その機能が欲しいとなると、装備されている一部のマツダ車を買わなければならない。そこでいろいろ調べてみたら、国産車のスポーツ系モデルに採用されているヤマハ製のパフォーマンスダンパーに同じような効能があることが判明。ただし、これまで一部のクルマにはアフターパーツとして設定があったものの、基本的に一般ユーザーがパーツとして手に入れることは難しかった。
そこで朗報である。日本におけるフォルクスワーゲン(VW)の老舗チューナー、COXが同様の効果が得られるヤマハ製のパフォーマンスダンパーを、COXボディダンパーとして一般ユーザー向けに販売している。
VW、アウディをはじめ、たとえば神奈川トヨタのカスタマイズ部門となるマスターワンなどでも、効果がより期待できそうなアルファード&ヴェルファイア、ヴォクシー&ノアなどのミニバン対応品を用意していたりする。
ところで、わが家には自称自動車評論犬(!?)のラブラドールレトリーバーの“マリア”とジャックラッセルの“ララ”という2頭がいて、毎月のようにドライブ旅行に出掛け、雑誌CARトップでも「CT DOG」という本郷ドッグフレンドリーカー研究室なる連載を持っているほど。
もっともマリアは今年12歳。人間なら70歳を超えたシニア犬。さすがに足腰が弱ってきて、以前はスイスイ乗り降りできた後席やラゲッジの乗降も、今や介助が必要になってきた。
そこで、2頭の愛車でもある、わが家のゴルフ・ヴァリアント ハイラインにCOXのローダウンサスペンションとボディダンパーを装着することに。目的はまず、フロントで約2cm、リヤで約2.5cmのローダウンによって、マリアの乗り降りをしやすくすること(VWはアウディと違い、フェンダーアーチとタイヤのすき間が大きいのが悩みの種で、その解消も目的のひとつ)。
さらにボディダンパー装着によるボディの振動吸収効果、よりスムースな走行性能を得ることで、車内でどこにもつかまれない犬たちにより快適なドライブを楽しませてあげたいからだ。ちなみにわが家の2頭はクルマ酔いなどしないのだが、たまにドライブ旅行に同行する友人の愛犬がクルマ酔いするため、その対策も兼ねている。
VW純正スプリングと同じ、COXの3次元巻き構造を採用したローダウンサスペンションとボディダンパーは、どちらも全国のVWディーラーで購入、取り付けできるようになっている(2017年10月から)。もちろんVW認定パーツなので、車検にも対応。VWのアフターパーツとして保証も付くのだから安心である。
ローダウンを施したゴルフ・ヴァリアントは、期待通りフェンダーアーチとタイヤのすき間が縮まり、スタイリッシュさを増したことはもちろん、気がかりだった乗り心地の悪化は皆無。どころか、路面状況よって刻々と変化するボディの変形や振動を素早く、かつ穏やかに整えてくれる。
乗り心地に影響する路面の凹凸による突き上げ感や、走行中の変形時に発生する反発力だけを吸収。山道でステアリングを左右に切るコーナリング時のボディの揺り返し(反発)もボディダンパーが吸収するため、さらなる安定性、車体の揺れの抑制効果=快適感が得られたのである。
特筆すべきはその効果がドライバーだけでなく、助手席や後席の愛犬を含む同乗者も体感できるところ。COXによれば、クルマ酔いしやすい子どもがいるトヨタのアルファードオーナーがボディダンパーを装着したところ、クルマ酔いしにくくなったという生の声もあるという。
ローダウンサスペンション、ボディダンパーはこれまで走りの質にこだわるスペシャルモデル、コンプリートカーに採用されてきた機能アイテムというイメージなのだが、意外にもシニア犬(人間のシニア含む)、クルマ酔いしやすい子供にもうれしい効果があるということだ。
※効果は人や犬によって差があり、また必ずクルマ酔いに効果が発揮されるわけではありません。