マイチェンだけに今の仕様でも満足なら迷うことなく買いだ
1967年に発売されたホンダ初の市販軽乗用車「N360」をモチーフにしたプレミアム軽ワゴン「N-ONE」が12月下旬、間もなくマイナーチェンジの時を迎える。
2012年11月のデビュー以来2回目となる今回のマイナーチェンジでは、内外装の質感を高めつつ、
・いつまでも愛着の持てるシンプルスタイル「スタンダード」
・こだわりを感じさせるブラウンスタイル「スタイル」
・上質を磨いた洗練のプレミアムスタイル「プレミアム」
・大人の遊び心をくすぐるスポーティースタイル「RS」
の4タイプを設定し、個性をさらに強化する。
また、軽乗用車では初となる遮音機能付ガラスを採用し、静粛性を向上。そのほかエクステリアカラーに新色を追加して、購入時の選ぶ楽しさを広げる予定となっている。
N-ONEではこれまで、2014年5月にエンジンの大幅刷新による燃費改善、安全・快適装備充実などの一部改良を行い、2015年7月には内外装の質感アップに加え、全高を65mm下げて1545mmとし立体駐車場に対応した「ローダウン」と、ホンダアクセスが開発したコンプリートカー「モデューロX」を追加するなどのマイナーチェンジを実施。そのほかにも4度特別仕様車を発売した。
そんなN-ONEもデビューから丸5年。プラットフォームを共有するN-BOXが、8月に一足先に世代交代していることからも、いよいよモデル末期に差し掛かったといえる。
では、そんなモデル末期のN-ONEは、果たして「買い」か?
結論から言えば、マイナーチェンジ後に設定される4タイプのなかに、気に入った内外装の仕様があるならば「買い」である。
N-ONEはホンダの軽乗用車のなかでも、チョップドルーフの「N-BOXスラッシュ」と並んでデザインコンシャスなモデル。特別仕様車を含め、モデルライフのなかで頻繁に内外装バリエーションの追加と廃止が繰り返されている。
つまり、「おっ、この内外装、いいな」と思っても、それが次の一部改良やマイナーチェンジ、そしてフルモデルチェンジされた後も設定され続けるかは分からない。むしろ廃止されるか、好みではない方向へ変更される可能性が高いと考えておいた方が無難だ。
だからこそ、気に入った内外装の仕様があるのならば、その時こそ「買い」なのである。
なお、デビュー以降の販売台数は、
2012年: 18001台
2013年:107584台
2014年: 34860台
2015年: 22830台
2016年: 17260台
2017年: 11353台注:すべてホンダ調べ
となっており、累計販売台数は21万1888台。近年こそ月1000台強のペースに落ち着いているものの、高価格帯かつ背の低い軽乗用車としては販売は堅調で、次のモデルが開発される可能性は高い。だが、今回マイナーチェンジを受けるということは、少なくともあと2年は世代交代されないと考えるべきだろう。
そうした状況を踏まえ、マイナーチェンジ後のモデルに好みの仕様がない人はどうすべきか? 無論、ここは「待ち」だ。
N-BOXが先般の世代交代に伴いハードウェアが一新され、走りの質感が劇的にアップしたことを考慮すると、N-ONEもフルモデルチェンジされれば同様の進化を遂げるのは確実だ。とくに「ローダウン」は、現行モデルではデビュー後に開発されているものの、新型が「ローダウン」の設定を前提として開発されれば、標準モデル以上に走りとパッケージングが大幅に進化することだろう。
なお、ホンダは2014年より、FF・ターボ車をベースとしたワンメイクレース「N-ONEオーナーズカップ」を開催しているが、それにも関わらず、残念ながらマイナーチェンジ後も6速MTは設定されない。
だが、2015年3月にデビューしたS660に用意されていることを考えると、N-ONEに6速MTを設定するのは不可能ではないはず。2代目デビューのタイミングで6速MTを設定し、よりスポーティな走りを堪能できるホットバージョンがラインアップされることを期待せずにはいられない。