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意外と知らないタクシー業界用語18選

意外と知らないタクシー業界用語18選

知らなかったアノマークの意味も!

 どんな業界にも、“業界用語”と言うものが存在する。もちろんタクシー業界もしかり。今回は筆者が見聞きした範囲で確認しているタクシー業界用語の一部を紹介していこう。もちろん、地域や事業所などによって使われる用語は異なるので、必ずしもここで紹介するのが全国的にスタンダードというものではないことは、はじめにお断りしておく。

1)ロング客(ろんぐきゃく)

 よく知られた業界用語のひとつだが、長距離利用のお客のことをさす。意味合いや使用例は万収と似ている。
【使用例】“ロング客が入れ食いだった”

2)万収(まんしゅう)

 メーター料金が5桁になる旅客輸送のことをさす。つまり万円台となるので当然ロング(長距離利用)客であったことを指す。もちろん万収が出るのは深夜が多い。この万収が出るかでないかで、その時の出番の稼ぎ全体に大きな影響を及ぼす。
【使用例】“いやあ今日は万収が2本も出ちゃったよ”

3)川を越える(かわをこえる)

 これは東京地区で聞いた話。東京と隣接県の都県境を越えるときに、一級河川を渡るときが多い。神奈川との都県境には多摩川、埼玉との都県境には荒川などがある。東京(都心部)から川を越えるロング客となれば、前述した万収になる確率もかなり高いのである。
【使用例】“今晩は川を越えたよ”、“俺はしばらく川を越えていないなあ”

4)ゴールデンタイム(ごーるでんたいむ)

 これは夜間割増の時間帯のことを指す。東京23区と三鷹・武蔵野市の営業区域では、午後10時から翌朝5時まで2割増となる。
【使用例】“ゴールデンタイムに備えていまのうちに休憩しておこう”

5)隔日勤務(かくじつきんむ)

 タクシー乗務員の勤務体系のスタンダードといっていいだろう。朝車庫を出てそのまま乗務を続け(休憩時間あり)、日付が変わり午前2時から4時ぐらいまでにはだいたい車庫に戻ってくることになる。そして車庫に戻ってきた日は自宅で休息をとり、翌日の朝からまた乗務するので“隔日勤務”と呼ばれている。

6)日勤(にっきん)

 毎日乗務する形態。朝8時ぐらいから午後7時ぐらいまでの“日勤”と、夜間だけ乗務する(夜勤)とがある。夜勤は“ナイトさん”などとも呼ばれる。

7)明け番(あけばん)

 隔日勤務で車庫に戻ってきた日を“明け番日”と呼ぶ。明け番は休日ではなく、出番(実際にタクシーを運転する日)日とセットとなっており、あくまで休日ではなく、休養をとる時間と考えてもらいたい。

8)公休日(こうきゅうび)

 これは正式な休日となる。

9)公出日(こうしゅつび)

 隔日勤務の場合は1カ月に12出番(12回の乗務)となり、さらに1回の公休出勤が認められている。これを公休出勤日(公出日)などと呼んでいる。

10)出庫&帰庫(しゅっこ&きこ)

 出庫は車庫を出ること、帰庫は車庫に帰ってくる時間となるの。

11)納金(のうきん)

 帰庫したら乗務員がまず行うこと。今では完全自動(売上金を機械にいれるだけ)方式が普及しているが、過去には運転手がチケットや有料道路料金やカード利用分などを分類して計算する作業があったため、長時間の運転で疲れていたり、眠かったりすることもあり、誤った計上も多く、最終的に数字を合わせるのに時間を要することも多かったが、今ではかなりスピーディに作業が進む事業所も多いようだ。

12)運行管理者(うんこうかんりしゃ)

 タクシー会社の事務所内にいるひと。文字どおり日々の乗務割を決めるだけでなく、車両管理や労務管理、安全運転指導や事故対応、チケット営業などを行う。乗務員に対しては学校の“学級担任”と同じような立ち位置と考えるとわかりやすい。国家試験の合格が必要となる。

13)当番車(とうばんしゃ)

 呼び名はいろいろあるが、決まったクルマが割り当てられること。つまり専用車となる。

14 )裏番(うらばん)

 当番車はふたりで1台というのが原則で、自分と対になっている乗務員を“裏番”などと呼ぶ。隔日勤務同士で組ませる場合と、日勤と夜勤とで組ませることもある。

15)JRマーク(じぇいあーるまーく)

 JRの駅構内のタクシー乗り場で客待ちをする場合には、JRが許可したマークのついたクルマ以外は駅前のタクシー乗り場に入ることはできない。

16)入講規制(にゅうこうきせい)

 知っているかぎりでは、羽田空港と渋谷のNHK放送センターでの客待ちはナンバープレートの末尾の数字により、できる日とできない日が設定されている。いずれもロングが出やすいということでタクシーが殺到するからである。

17)足きり(あしきり)

 法人タクシーの乗務員の売り上げは全額乗務員のものとなるわけではなく、勤務先の会社と五分五分とするのが原則となるが、最近では一定条件以上をクリアすれば乗務員のほうが歩合の良いケースも目立つ。ただし一定額以上の売り上げがなかった場合には逆に歩合が悪くなる。このことを“足きり”と呼んでいる。

18)控除(こうじょ)

 事業所によって運用はそれぞれ異なるが、例えばAT車に乗るから500円(AT車のみでも)、カード決済機がついているから500円などと、乗務員から徴収することを“控除”と呼んでいる。つまりAT導入により運転が楽になる。カード決済機の導入で利用客が増えるなどが乗務員から控除を徴収する論拠とされている。

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