メカニズムとデザインにこだわり続けて13代
スカイラインが誕生したのは、今から60年前の1957年4月のことである。飛行機メーカーを母体とする自動車メーカー、富士精密工業(のちのプリンス自動車)が生んだ初代スカイラインは、メカニズムだけでなくデザインも進歩的な設計だった。とくにメカニズムと安全には強いこだわりを持っている。初代のALSI型もライバルを圧倒する高性能を誇示した。
スポーツセダンとしての道を歩み始めたのは、2代目のS50型スカイラインのときだ。ダウンサイジングして走りの実力を高めるとともに、時代に先駆けてメンテナンスリー化を推し進めた。また、2リッターの直列6気筒SOHCエンジンを積んだスカイラインGTを開発。新たなスカイライン伝説を生み出している。
スカイラインGTは2000GTの名でカタログモデルとなり、究極の走りを目指した硬派のGT-Bと上質な大人の走りのGT-Aとに枝分かれした。前者は、次の世代でGT-Rへと発展する。後者のGT-Aの流れを組むのが、現行のV37型まで続くスカイラインだ。DNAと熱いスピリットを受け継ぎ、意のままの気持ちいい走りを楽しめる。また、快適性も高いからロングツーリングも得意だ。
スカイラインは3代目で日本を代表するスポーツセダンへと成長した。4代目は走りのよさと優れた快適性に加え、優れたファッションセンスも身につけている。
5代目では時代に先駆けてターボを搭載し、力強い走りを実現。続く6代目のR30系では、さらに痛快な走りを手に入れた。
そして8代目では小型車の究極の姿を追い求めている。が、90年代には安全性と快適性を高めるために、3ナンバー枠に踏み込み、環境性能も磨いた。
21世紀に入ると、新しい心臓と新しいパッケージングが与えられ、世界に通用する大人のプレミアムセダンを目指すようになる。11代目からは、殻を破って世界へと飛び出したのだ。
最新のスカイラインとして送り出されたのが13代目のV37系である。2017年12月、プレミアムセダンとしてのポジションを、さらに強化することを目指し、改良と化粧直しを行った。
エクステリアは、スカイラインならではのシャープでスポーティな表現を継承しながら、走りの魅力を際立たせるために入念に作り込み、高揚感あるデザインとなっている。プレミアム派のタイプPはよりラグジュアリーに、スポーティ派のタイプSPはよりアグレッシブな方向にデザイン品質を高めた。
フロントマスクは、ハニカムグリルとバンパーのデザインを変え、ヘッドランプシグネチャーやフォグランプフィニッシャーも新しいデザインになっている。タイプSPは凛々しい顔立ちだ。スポイラーサイドフィニッシャーも存在感を増した。アルミホイールも目をひくデザインである。
タイプPは17インチから18インチにインチアップ。タイプSPの19インチアルミホイールは、躍動感あふれるスポークデザインを採用した。
リヤビューもスタイリッシュなデザインだ。LEDの輝きを増した新デザインのリアコンビランプを採用し、バンパーもデザインを変えている。色味を厳選したライセンスフィニッシャーも印象的だ。ボディカラーは9色を設定した。新たに、エレガントなインペリアルアンバーを加えている。