金額的にはお買い得でも自分にとって得とは限らない
特別仕様車を選ぶ時の注意点は、加えられている特別装備が、自分のニーズに合っているかを冷静に判断することだ。エアロパーツやアルミホイールがきわめて割安に装着されても、これらの装備にユーザーが魅力を感じないと意味がない。
実際には、ユーザーにとって欲しい装備と不要な装備が混在していることが多いと思う。このときは欲しい装備だけをオプションで加えたパターンと比べて判断したい。
プリウスS・セーフティプラスで欲しい特別装備がトヨタセーフティセンスP(8万6400円)とナビレディセット(3万2400円)であれば、合計11万8800円だ。このオプションを加えるか、それとも12万8029円高いプリウスS・セーフティプラスにするか、という判断が選択の分かれ目になる。
プリウスS・セーフティプラスには安全性を高める実用装備が豊富に加わるから、これを選ぶ方が得策だ。逆に内外装のドレスアップパーツを多く加えて価格を高めている特別仕様車もあるので注意したい。
オプション価格を参考にしながら、ベースグレードにプラスされた装備の価格換算額と、価格アップのバランスを見て買い得感を判断する手もある。先に述べた特別仕様車の価格上昇は12万8029円で、加わる装備の換算額が21万円であれば、約8万円はオトクという計算を自分で行ってみたい。
特別仕様車を買うときの損得勘定には値引きも影響するが、これにはふたつのパターンが見られる。
価格を大幅に安く抑えた特別仕様車では、販売戦略的に値引きを少額に抑えることがある。このケースでは前述の「欲しい装備がいかに割安に装着されるか」を考えて選びたい。ふたつ目は、価格に無理のない特別仕様車を大量に生産するケースだ。とくにフルモデルチェンジが迫った車種では、特別仕様車の在庫が過剰になり、既存のグレードを超える大幅値引きで買えることも多い。
このあたりはセールスマンに尋ねると教えてくれる。とくに大量生産される特別仕様車は、販売が滞ると在庫を持つことにもなるから、販売会社は早々に売り切りたい。そのために購入条件も好転するわけだ。
また販売会社が独自に設定する特別仕様車もある。バックモニターなど、ディーラーオプション品を装着したタイプが多く、欲しい装備が割安に装着されているときは検討すると良いだろう。