世界のどんな道でも爽快な走りを楽しめる1.5リッターターボ
セダンとハッチバックのエンジンについては1.5リッターターボのみで、これはステップワゴン譲りのダウンサイジングターボだ。正確には、シビックとステップワゴンへの搭載に向けて、同時進行で開発が行なわれたものだ。
そもそもシビックのエンジンは各時代の最先端のものを搭載してきたし、それはホンダの技術力の表れでもあった。たとえば、初代のCVCCやSOHC16バルブ、VTECなど数えだしたらキリがない。
その流れでの新型シビックでの1.5リッターターボである。この視点で見てみると、ただのダウンサイジングではなく、直噴や電動ウェイストゲート付きターボチャージャーの採用などに加えて、なによりもVTECを組み合わせている点に注目だ。また吸排気デュアルVTCも装備することで、吸排気のバルブタイミングを可変させて効率的な過給を実現している。
その結果、2.4リッターNA並みの性能を実現しているのだが、余裕あふれる乗り味は実際に試乗してみると真っ先に体感できる部分だ。
トランスミッションはセダン/ハッチバックともにCVTをメインで組み合わせる。ターボとの相性を徹底的に追求した反応のよさが身上。こちらも試乗するとダイレクト感、そしてエンジンのうま味の絶妙な引き出し方に驚かされる。またハッチバックには6速MTも用意。これは技術陣が搭載を熱望して実現しただけに、エンジンのポテンシャルを大いに引き出して、積極的に楽しめる装備となっている。
その爽快な走りを根底から支えるボディについても、高い剛性は当然のことながら、空力にも大いにこだわったものとなっている。またハッチバックの特性に合わせた強化をしっかり行なっている点にも注目だ。
日本のみならず、世界のあらゆる道を走ると言っても過言ではないシビック。要となるシャシーについても、高いレベルでの性能が追求されている。具体的には「アウトバーンでの高速走行においても高い安心感が得られ、速度域を問わず楽しめるハンドリングを目指した」という。
サスペンションについては前後ともにジオメトリー剛性の確保に力が入れられている。フロントは新開発となるマクファーソン・ストラット。リヤは高剛性のサブフレームを備えたマルチリンクを採用。さらにサスペンションの位置決めをするブッシュも最適化するなどして、高い操縦安定性やハンドリングを確保。さらに液封コンプライアンスブッシュも採用することで、横からの力がかかった場合でもジオメトリーの変化を最小限に抑えて、上質な乗り心地も確保しているのだ。