レストアはクルマを買うよりも大変な場合も
いずれにしても予算に余裕がないとできないのがプロに頼むレストアなのだが、思わぬトラブルになることもある。なかでも多いのが、予算と内容が合わないといったもので、要はお金をかけたのにきれいに直っていないとか、サビがまた出たなどというものだ。
ここにレストア費用についての答えが隠されている。プロにしてみれば、すでに説明したように真面目に計算していては合わない仕事だけに、なかには手を抜いてしまう悪い業者の存在も……。手を抜かなくても、予算なりの仕事で終わることもある。一方、頼んだほうにしてみれば、新車のようになって戻ってくると思うのが普通だ。
つまり、ちゃんとやるなら、安くはできないということ。1.6リッターから2リッターぐらいの中型車のボディ(サビ多数で切った貼ったあり)を完全に新車近くまですると、300〜500万円ぐらい。あとはパーツの入手具合で増えたりする。
エンジンも含めて完全に1台丸々レストアすると1000万円で収まるかな、といったところ。ちなみにビンテージベンツの全塗装を昔存在したヤナセのレストア部門で聞いたら、2000万円ぐらいかなと言われて驚いた覚えがある。
安く済ませたいなら、新車当時の状態にこだわらないとか、外せるものは自分で外して持ち込むなどしかない。中途半端にやると、結局クルマがかわいそうなだけ。あとは自分でやるかだ。
最後に、結局はレストア費用というのは天井知らずのところもあるのだが、問題はきちんとやってくれればいい。しかし、実際どこまできちんとやったかわかりにくいのがレストアでもある。
多額の費用をかけたのに、うわべだけの作業だったというのもよく聞く。業者選定から作業内容の打ち合わせ、そして作業中の記録までしっかりと確認しておきたい。また200万円のクルマでフルレストア済みなんていうのも、費用的に考えても存在しないので悪しからずだ。