強力なダウンフォースを得るために空力を徹底追求
ボディはプラットフォーム開発の段階から、300馬力オーバーのパワーと20インチのハイグリップタイヤを装着するという想定で開発され、先代モデルよりもホイールベース/トレッドともに拡大されている。必要な部位に補強を加えながらボディも軽量化(先代タイプR比でマイナス16㎏)。ボディカラーはタイプR伝統のチャンピオンシップホワイトのほか、3色が設定されている。
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タイプRのエクステリアは、各部が専用の仕様になっている。フロントスポイラーの左右コーナー部には「エアカーテン」を設け、タイヤの前方の空気を整流してインナーフェンダーから排出させる。これにより、フェンダー内の圧力を下げることでダウンフォース効果を高めることができる。また、前後のフェンダーはブリスター形状となり、フロントにはアウトレットスリットが設置されている。
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そして、テールゲートスポイラーは先代モデルより薄くなり、より上下の圧力差を大きくしてダウンフォースを増大させた仕様。さらにルーフにはボルテックスジェネレーターを装着し、スポイラーに向かう空気を整流する。これらのエアロパーツは、サーキットを走行することを前提にスペックが決められているというのが、タイプRならではの特徴だ。Cd値(空気抵抗係数)よりもCL値(揚力)を重視したというエアロダイナミクスにより、強力なダウンフォースを発揮する。
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サスペンションを含むシャシー、駆動系にもタイプR専用の仕様が施されている。ホイールは20インチでタイヤはコンチネンタル・スポーツコンタクト6。サイズは245/30ZR20 90Y。ブレーキはフロントにブレンボキャリパーを装備し、ブレーキローターは直径305㎜と大径。これがニュル最速の走りを支えた強力な武器になった。
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