「逆走検知」などデモンストレーションも行われた
また、今回テストコースを利用したデモンストレーションということで、「逆走検知」、「車両・歩行者検知」、「LocoMobi2.0建設業向けサービス」の3つのデモが行なわれた。
「逆走検知」については、ETCの既存のコアシステムを応用することで、高速道路での逆走事故ゼロを目指す。
2015年のデータによると、年間の逆走件数は259件で、事故率は17.5%、事故46件、死亡8件、負傷18件となるという。実際に国土交通省が「2020年までに逆走事故ゼロを目指す」という目標を2015年11月に公表し、それを受けてNEXCO3社が逆走車両の自動検知、警告、誘導する技術を募集。
OKIは、到来波方式及び映像認識方式の2つの方式を提案しており、その到来波方式というのが、今回デモンストレーションされた技術である。これはETC車載器から発信される電波の到来方向を計算して車両の走行方向を判定するというもの。今年度実道での実証実験予定で、2018年度から実用化を目指すとしている。
また、この到来波方式や映像認識方式とは別に、プローブ情報から解析で出てくる隠れ逆走抽出についてもNEXCOに提案しているという。前述の2015年データはあくまで氷山の一角とみることでき、もっと根本的に逆走をしやすいポイントの抽出とその対策といったアプローチをETC2.0の走行データから分析し、逆走を未遂で収めることもできるのでは、としている。
続いて行なわれたデモンストレーションが「車両・歩行者検知」である。ETCに使われるDSRCアンテナに到来方向推定装置を使うことで、瞬時に位置を検知しそれをモニター上で確認することができた。これはこれからの自動運転時代に向けた路車協調のシステムが必要となるとし、その自動運転を支える技術になるという。
また、「LocoMobi(ロコモビ)2.0」についてもその一例ということでデモンストレーションが行なわれた。こちらは、車両から得られる車両の位置情報、プローブ情報を収集分析しているOKIが、ユーザーの業務効率化や利便性向上のために提案するもので、資材を搭載した車両の到着時間の把握がそのまま建設現場での建設工程の短縮につながる、という事例であったり、配送を行なう物流業界では道路状況の把握および適切なルート設定がコスト効率の高い運用につながるとしている。
しかし、実際にそれらの情報を収集し解析し、リアルタイムに近い予測を行なうには、コスト面はもちろん技術的にも課題があったという。
今回は建設業界向けのデモンストレーションとなった。管理者用のモニターには、搬入トラックの位置や到着予想時刻が表示され、目的地にトラックが到着するとそれが伝わるという仕組み。資材運搬車両の動きによって、運搬車両の駐車スペースや資材運搬のクレーンの稼動といった工程の最適化、そして現場工程を短縮することが可能となるという。
OKIでは、LocoMobi2.0をはじめとしたこの次世代交通事業で、2017年度から2019年度の売り上げ250億円を目指すとしている。