煽る側が悪いのだがそうしたクルマをイライラさせないことも大切
2017年6月の東名高速での追突事故以来、大きな社会問題になっている「煽り運転」。煽り運転というのは、従来、前方のクルマに対して思いっきり車間距離を詰めるなどして、プレッシャーをかける行為のことを指していたが、最近では、クラクションを鳴らす、幅寄せをする、前方に出て、わざと減速したり、スロー走行したり、ブレーキをたびたび踏んだり、信号が赤でもないのに停止したりするなど、嫌がらせ運転全般のことを指すようになった。
これらはいずれも違法行為であり、煽り運転をする側に問題があるわけだが、現実問題として、そうした行為を行う悪質なドライバーがいる以上、そうした人物に煽られないよう自衛手段を講じる必要がある。どうしたらそうしたリスクが減らせるのかを考えてみよう。煽り運転を誘発させる要素は、主として次の3つが挙げられる。
1)速度がゆっくり、発進がゆっくり
2)車線変更&割り込み
3)クラクション
誰もが自分のペースでゆったり走りたいのは山々だが、交通量の多い日本の道路では、法定速度内であっても、ゆっくり走ることで他の多くのクルマとペースが違いすぎてイライラされることが少なからずある。住宅地では安全速度で走るのは当然だが、郊外の見通しのいい道路や、高速道路などでは、実勢速度と法定速度に大きな開きがあって、たとえば中央車線や追い越し車線などでは法定速度で走っていても、後ろに長い列ができていることも……。
こうした状況にならないためには、第一に流れに乗って走ること。周囲のクルマと同じペースで走れれば、煽られる可能性はかなり減らせる。流れが速いと感じるのであれば、バックミラーをこまめにチェックし、後ろからクルマが迫ってきたら、安全なところで、左にウインカーを出し、徐行するか停止して、後続車に道を譲るのが一番!
また幹線道路や高速道路では、一番左の車線を走ること。そもそも、追い越し車線の連続走行は、通行帯違反であり、道交法でも、「後続車に追いつかれた場合は、できる限り道路の左側端に寄って、進路を譲らなければならない」と義務づけられている。左側車線で、前走車とほどほどの車間距離をキープして、流れに乗って走っていれば、煽られる心配はほとんどないはず。
もうひとつ、一般道では信号が変わったときなどに、発進がゆっくりだと後続車をイライラさせることにつながる。「ふんわりアクセル」なども、ある意味”エゴ”ドライブなので、交通量が多い道では、安全を確認したうえで、素早く発進し、巡航速度まで速やかに加速するのが望ましい。
万が一、信号待ちの間にボーっとしていたりして、青信号に変わったことに気付かず、後続車などから、クラクションで発進を促されたら、軽く手でも上げつつすぐに発進するようにしよう。ちょっと手を上げておくだけで、つまらないトラブルは回避できるはずだ。