ルポよりも大幅に強大なトルクに期待は大きい
今回の東京モーターショーのフォルクスワーゲンブースには9台中8台の日本初披露車種が展示されたが、そのなかでもとくに注目を集めていたのが、フォルクスワーゲンのラインアップのなかで最小のup!に用意されたGTIグレードだ。
up!には標準車にも2ドアと4ドアのラインアップが存在するが、今回GTIのベースに選ばれたのは2ドアモデル。日本に正規輸入されているGTIモデルはポロもゴルフも4ドアモデルとなっているため、久しぶりの2ドアGTIということになる。もちろんボディ剛性的にも開口部が少ないほうが有利なため、up!GTIはより走りに特化したモデルということも言えそうだ。
搭載されるエンジンは排気量こそベース車と同じく1リッターだが、ターボで武装し85kW/115馬力とベース車比40馬力もの出力アップに成功。トルクも2000~3500rpmと低い回転数で200N・mを発生しており、ベース車の95N・mに比べて倍以上の数値をマークした。
ミッションもスポーツ走行には不向きなASGではなく、6速マニュアルを採用。軽量ボディと相まって、0-100km/h加速は8.8秒、最高速度は197km/hに達し、GTIの名に恥じないパフォーマンスを発揮している。
もちろんGTIの不文律に沿って、マットブラック仕上げのハニカムパターンを用い、赤いストライプで縁取ったラジエターグリルやチェックのシート表皮など、GTIをイメージさせるアイテムが随所に散りばめられている。
そんなup!GTIは、どうしても初代ゴルフGTIと比較したくなるが、じつは一番サイズ的に近いのは2003年に日本デビューしたルポGTIだ。3525×1640×1465mmのルポに対し、3600×1641×1489mmとサイズはほど近い。また出力も125馬力のルポGTIに対し、115馬力のup!GTIはやや劣るものの、ターボエンジンのトルクはルポの152N・mに対しup!は200N・mと大きく上まわる。車両重量も1010kgのルポに対してup!は997kgとややup!が軽量だ。
今回、モーターショー会場に展示されたのは左ハンドルモデルだったが、日本には右ハンドルが導入されるとされ、気になる価格は200万円台前半とのこと。ヴィッツのホットモデル「GR SPORT”GR”」が2,303,640円〜であることから、近い価格で登場すれば、ホットハッチ界の風雲児ともなりそうだ。