路面状況などを検知してタイヤ表面が変形
10月26日に開催された東京モーターショーでの日本グッドイヤープレスカンファレンスでは、同社のアジアパシフィック消費財タイヤ部門副社長、ライオネル・ラミレス氏が登壇。グッドイヤーの100年を超える歴史を振り返るとともに、今後の戦略について説明がなされた。
続いて同アジアパシフィック製品開発部門副社長のデビッド・ザンジグ氏が登壇し、同社の3つの技術革新ステップについて説明。そのなかでオールシーズンタイヤの「Vector4Seasons Hybrid」や、スタッドレスタイヤの「ICE NAVI7」のほか、拡大するプレミアムSUV向けの新商品「EfficientGrip Performance SUV」(2018年2月発売予定)が紹介されたほか、コンセプトタイヤも発表された。
コンセプトモデルと言えば今年の東京モーターショーでは多くの自動車メーカーがAI(人工知能)を搭載した自動運転車のコンセプトを発表しているが、日本グッドイヤーのブースにはAI搭載球形タイヤ「Eagle 360 Urban」が登場した。
このコンセプトタイヤは、昨年発表された球形タイヤ「Eagle 360」をベースに、AI技術を搭載し、タイヤに「頭脳」としての機能を与えたもの。バイオニックスキンと呼ばれるタイヤ表面にはセンサー技術が搭載され、路面状況や天候気象を感知し、AI技術が指示を促すことによってタイヤトレッド表面が凹凸により変形し、より安全な走行が可能となる。
また、継続的に路面状況や周辺環境を感知し、タイヤの状況をリアルタイムに確認。高センサー機能を保持したタイヤ表面が自在に変形することで、ブレーキング、ハンドリング、燃費効率を改善するほか、同じ道路を走行しようとしているタイヤや自動車とインターネットで繋ぐIOT技術の採用により情報を共有するという。
とはいえ、やはりこのタイヤも摩耗するとのことで、どのくらいのコストで交換することができるのかなど、実用化にはまだまだハードルが高いという印象だ。
他にも同ブースには過去に発表されたコンセプトタイヤも一同に会し、タイヤの現在と未来を一か所で確認できるブース展開となっている。