試乗ができなくても静止状態ですべてのギアに入れてみる
今や貴重なMT車。中古でも流通量は当然減っているわけで、欲しいとなると、少ないなかから選ぶしかなく、選択の幅は当然狭くなる。MTを中古で買う際のチェックポイントを紹介しよう。
まずは基本中の基本である入り具合。試乗ができれば当然走りながらチェックする。その際はすべてのギヤに入れること。とくに2と3速は使用頻度が多いので注意してチェックし、引っかかりなくすっきりとシフト操作ができるかだけでなく、変速してからもギヤ鳴りなどがしないかを確認する。
もちろん試乗がダメな場合はここまでは見られないが、その場で止まったまま(エンジンをかけられるならかけて)でもいいので入れてみる。
変速という点ではフィーリングだけだが、見られるなら下まわりを見て、オイル漏れなども確認。さらにシフト操作にも影響するマウントも見ておくといいだろう。亀裂が入ったりするとミッション位置がずれて変速にも影響することがあるからだ。
またこれはよほどのことがないと見させてはくれないが、ドレインのボルトは通常、磁石になっていて、ギヤなどから出た鉄粉を吸着するようになっている。うまくやれば少し漏れるだけでボルトは取れるので、確認できないことはない。ダメモトでお願いしてみるのもいいだろう。
基本的には、昔のMTのようにギヤ自体が弱かったり、シンクロがへたりやすかったりというのはなくなってきているので、シビアに考える必要はないだろう。普通にメンテしていれば不具合はないはずだし、機関部分の保証はかなり長いので、通常のメンテをしていればリカバーもしてくれるのでなおさらだ。
ちなみにオーバーホールがATよりも安くできるというのもMTの魅力のひとつ。あえて不具合が出ているクルマを安く買って、あとでオーバーホールするというのも手としてはあるだろう。