トヨタ勢はラトバラが粘りの走りで5位入賞
2017年のWRC第12戦「ラリー・グリートブリテン」が10月26日〜29日、イギリスのウェールズで開催。伝統のグラベルステージを舞台に、今季最後の欧州イベントが行われた。
3台のヤリスWRCを投入する注目のトヨタ陣営は、序盤から順調な立ち上がりを披露していた。スーパーSSを舞台にした26日のSS1でエースのヤリ-マティ・ラトバラがMスポーツでフォード・フィエスタWRCを駆るセバスチャン・オジェに続いて2番手タイムをマーク。さらにエサペッカ・ラッピが6番手につけ、ユホ・ハンニネンが8番手でデイ1をフィニッシュする。
翌27日のデイ2は森林および丘陵地帯を舞台に本格的なラリーが開催。前日の夜間に降った雨の影響により、路面はマディなコンディションで「路面が滑りやすく、我々のパフォーマンスも期待していたレベルには届かなかった」とチーム代表のトミ・マキネンが語るように、トヨタ陣営も苦戦の展開を強いられていた。
「午前中はアンダーステアに悩まされ、午後はトラクション不足を感じた」と語るように、ラトバラが5番手に後退するほか、ハンニネンが10番手でフィニッシュ。さらに「グリップ不足の状態で満足のできない1日だった」と語るラッピも11番手まで後退してデイ2を終えることとなった。
28日のデイ3も滑りやすいコンディションとなったが、トヨタ陣営は復調を果たし、「トラクション不足がかなり改善され、悩まされてきたアンダーステアもダンパーの調整でフィーリングが良くなった」と語るように、エースのラトバラがSS15でベストタイムを叩き出し、4番手に浮上する。
さらに「昨晩のサービスでセッティングを大きく変えたところ、クルマは良いフィーリングになってきた」と語るラップもコンスタントな走りで9番手に浮上。残念ながらハンニネンは「ブリーキのタイミングが遅れて藁のバリアにヒット。その結果、フロントのダンパーが破損して走行不能になってしまった」と語るように、SS14でコースアウトを喫し、リタイヤすることとなったが、2台のヤリスWRCがトップ10でデイ3をフィニッシュした。
そして29日のデイ4も滑りやすいマディなコンディションとなるなか、2台のヤリスWRCは粘り強い走りを披露している。「完璧とは言えないラリーだったが、ポイントを獲得し、改善すべきことがわかった」と手応えを語るようにラトバラが我慢の走りで5位入賞を果たすほか、「いい経験をした。今回学んだことは将来の役に立つと思う」と語るようにラッピも9位で貴重なポイントを獲得した。
なお、注目のトップ争いはDマックタイヤのワークスドライバーとしてMスポーツでフォード・フィエスタWRCを駆るエルフィン・エバンスがデイ2よりラリーを支配し、母国ラウンドで自身初優勝を獲得。
ヒュンダイでi20クーペWRCを駆るティエリー・ヌービルが2位に入賞する。一方、タイトル争いに王手をかけていたオジェも3位で表彰台を獲得し、ドライバーズ部門の5連覇を達成。同時にMスポーツがマニュファクチャラーズ部門でもチャンピオンに輝いた。