EV時代でもトランスミッションの役割はある! ジヤトコがCVTを磨くと宣言【東京モーターショー2017】
TEXT: 青山義明
PHOTO: 青山義明
複数の次世代CVTを開発中
東京モーターショー2日目となる10月26日、東京ビッグサイト東2ホールに出展しているJATCO(ジヤトコ)は、プレスブリーフィングを開催した。
自動車用変速機(トランスミッション)の専門メーカーであるジヤトコのプレスブリーフィングには、プレゼンターとして、中塚晃章代表取締役社長が登壇。今回の東京モーターショーには「考えるトランスミッションで、クルマの走りを未来へ」というテーマで出展しており、まず、トランスミッションが考えることでクルマは進化するのではないか、という今回のテーマを解説。
ジヤトコは、同社の前身である日産自動車の吉原工場での生産開始以来、ステップAT生産50年。そしてCVT(無段変速機)の生産20年と、今年は記念すべき年であるという。さらに、2017年3月末には、ステップATとCVTのグローバルでの累計生産台数が、1億台を達成。CVTのみの累計生産台数は3800万台で、現在CVTのグローバルシェアは37%で世界1位(2016年)でもある。
電動化、自動運転、コネクテッドといったワードが示す通り、自動車市場は現在大変革の時期に入っているが、ジヤトコでは「CVTを磨く」、「EVに新しい価値を」、「自動運転をサポート」という3つのキーワードでこれを乗り切るとしている。
電動化が進むとしていながらも、まだまだ既存の内燃機関搭載車両は底堅いとし、CVTを、より小型化・軽量化・好燃費へと磨き上げていくとしている。
また、EVについても、モーターからのダイレクトな出力だけに頼らず、トランスミッションと組み合わせると、最高速をアップしたり、燃費を上げたり、さらにはモーターの小型化に貢献できるなど、モーターの苦手な部分を補うことができるとしている。また、自動運転については、CVTならではの自在な変速制御による滑らかで違和感のないシームレス変速、そしてセンシング技術による駆動力予測を組み合わせていくことで、よりハイレベルな乗車感覚の実現が可能だという。
中塚社長は最後に、現在複数の次世代CVTを開発中であることを明かしている。高いコスト競争力を持たせた新しいCVTがまもなく登場することだろう。
また、展示では、同社初のCVTモデル、世界初2リッタークラス金属ベルト式CVT「F06A」のカットモデルを展示し、他にも各種CVTのカットモデルも展示する。