市販を見据えた小型トラックのエルフEVも並ぶ
日常的にクルマに乗る人であれば、見ない日はないと言っても過言ではないほど日本中の道路を走り回っているいすゞの働くクルマたち。そんないすゞが今回の東京モーターショーで発表したのは、運ぶを支える未来のテクノロジーだった。
まず目を引いたのが大きな6輪トラックの「6×6(シックスバイシックス)」だ。これは自衛隊で使用されている「SKW」のシャシーを使用したもので、名前のとおり6輪すべてが駆動するもの。さらに通常のトラックに比べてロードクリアランスも取られており、サスペンションストロークも豊富なため、悪路走破性はピカイチだ。
続いては「エルフEV」。いすゞの小型トラックであるエルフを完全EV化したもので、満充電で100㎞以上の走行が可能とアナウンスされた。搭載される走行用バッテリーはリチウムイオン電池で、ユーザーの使用状況に応じて容量を前後させることも可能となるそうだ。
これはコンセプトモデルではなく、来年から実際にユーザーへリースを開始し実証実験を開始するそうで、間もなく路上で見かけることになるだろう。
さらに2017年4月で創立80周年を迎えたいすゞが、それを記念して大型トラック「ギガ」、中型トラック「フォワード」、小型トラック「エルフ」に特別仕様車を設定した。
外観の特徴は専用色のアッシュベージュメタリックと、クロムメッキラジエータグリルだが、最大のトピックはその内装。ISUZUロゴの刺繍をあしらった本革調の限定シートと赤色のシートベルトを採用しており、一見するとスポーツカーのような上質な雰囲気を醸し出している。
そして、その3車の展示方法もいすゞらしく、ギガはメインステージのビジョンとして、フォワードはいすゞプラザで人気のドライブシミュレータの試遊台となっている。なお、このドライブシミュレータはいすゞプラザで稼働しているものを持ち込んでいるため、モーターショー期間中はいすゞプラザで楽しむことができないのでご注意を。
最後に紹介するのはいすゞのデザインコンセプト「FD-SI」だ。これは2030年ごろの配送を創造したデザインコンセプトで、荷台のハニカム構造になっている部分はそれぞれカートリッジ状になっており、配送センターなどではひとつひとつ荷物を載せるのではなく、一気にカートリッジ交換を行って効率をアップさせるものとなっている。
またボディの白い部分を骨格とし、ブルーの部分の荷台のショックを吸収する構造ともなっており、繊細な精密機器なども運べるようになっているそうだ。