高速の渋滞時に「合流車線へ車線変更して」前に行くのはあり? (2/2ページ)

合流車線への車線変更は違反ではないがマナー的にはダメ

 たとえば、東名高速上りの海老名SA出口には、約4kmの長い合流車線があるが……。法律的には、この長い加速車線は登坂車線などと同じ、「付加車線」にあたる。登坂車線がそうであるように、本線から「付加車線」の合流車線に車線変更し、そこを走行すること自体は違反にはならない。

 しかし、一方で左側からの追越しは、「追い越し違反」の対象になるので……。(「追い越し違反(先行車両の左側からの追い越し)」違反点数2点 反則金9000円)細かくいえば、渋滞中など、一番右側の追越し車線より、中央、あるいは一番左の走行車線の方が流れがよく、追越し車線のクルマを左側から抜いていくケースもままあるし、それを目的に流れのいい車線に車線変更することもしばしばあるわけで、「本線→合流車線→合流車線の先端でまた本線に戻る」というパターンは、法律的にはかなりグレーなゾーンに入る。

 ただ、合流車線の本来の用途ではないので、ルール違反かどうかはグレーだが、マナー違反は確定だろう。

 また違反といえば、渋滞時に時折見かける路肩走行は、問答無用の交通違反。「通行区分違反(路肩走行禁止)」で、違反点数2点、反則金9000円のペナルティだ。しかし欧米では、混雑時に「路肩走行可能」の表示を出し、路肩を開放する「ショルダーユース」という仕組みがある。

 日本でも、2012年に東名高速でこの「ショルダーユース」の実験が行われ、渋滞の発生件数が1/10以下になったという報告がある。国土交通省では、この実験の結果を踏まえて、将来的に導入を検討しているとのことだが、こうした即効性のあるアイディアは、できるだけ早く実現してもらいたいものだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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