セグメントの略語でアルファベットはボディサイズを表す
クルマ好きの会話において「フォルクスワーゲン・ゴルフは、Cセグのベンチマーク」といった表現を使うことがある。「Cセグ」という耳慣れない言葉の意味するところは何であろうか。
まず、「Cセグ」というのは「Cセグメント」を短く略した表現である。「セグメント」という言葉は、たとえばLED照明でなどで使われたり、マーケティング用語やコンピュータ用語でも見かけたりするが、いずれも「部分」や「グループ」、「区分」といった意味合いで使われている。
クルマの場合は、「クラス分け」といった意味で「セグメント」を使っていると捉えると理解しやすい。
そして、セグメントの前にあるアルファベットが、ボディサイズ(全長)で区分けしたグループを示している。アルファベットで小さいほうから「Aセグメント」、最大サイズの「Eセグメント」まで5つに区分しているのが基本だ。
とはいえ、日本市場では「セグメント」による分類は馴染みがないのも事実。もともとアルファベット+セグメントによる区分は主に欧州で使われているもので、北米市場でもあまり使われていない。
また、区分を細分化して「ABセグメント」、「CDセグメント」といったように各セグメントの中間的なサイズであることを表現することもある。
たとえば、マツダはアテンザのことを「CDセグメントカー」と呼んでいたりする。一方で、スポーツカーだけを区分して「Sセグメント」と呼ぶこともある。
しかし、あくまでも「セグメント」による区分は全長に由来しているという点に留意したい。ハッチバックだろが、SUVだろうが、クーペだろうが、全長によって同じセグメントとして扱われるのだ。ただし、同じモデルでセダンとハッチバックをラインアップしているときもあり、そのあたり全長による区分の曖昧さもなくはない。
統計としてセグメントによる市場占有率を示すといった使い方は別として、現実的な会話レベルにおいては厳密な区分をしているわけではなく、あくまでイメージとして使われていると認識しておくのが寛容だろう。
ちなみに、日本独自のカテゴリーである軽自動車は「Aセグメント」、かつてリッターカーなど呼ばれたコンパクトカーが「Bセグメント」、全長が5ナンバーサイズに収まっているのが「Cセグメント」に相当する。
とはいえ、グローバルにはBセグメントであっても全幅が3ナンバーサイズになっていることが多いのが昨今のトレンドであり、リッターカーとBセグメントは同じカテゴリーと言われてもピンとこないという時代になっている。