会場で見かけた「不思議な」クルマ
1991年式のスズキ・カプチーノを所有する、こでらねさん。アルファ・ロメオとザガートをオマージュしているが、とくにそこにこだわりはなく、理想を求めていたらこうなってしまったという。フロントはアルファロメオTZ2、リアはアルファロメオTZ3を意識したカスタマイズだ。
アルファ・ロメオ仕様になる前はサーキットを走るためのモディファイが施されており、奥さんが乗ってくれなかったそうだ。そこで、奥さんも乗ってくれるクルマを作ったというのだから、じつに愛妻家だ。
「ここまで作り上げるのに、1年半かかりました。チルトするカウルは段ボールで型を起こして作りました。仕事が終わったあとと週末にコツコツと製作していきました。ちょうど2016年10月ぐらいに仕上がり、FMMというオフ会に参加したら脚光を浴びました。妻もこれなら乗ってくれますね」と語る。
エンジンは基本ノーマル、内装も今のところオリジナルのままだが「今はダブルバブルルーフ(ふたこぶ状の屋根)を製作中です。まだまだ先になりそうですが、コツコツ、これからも仕上げていきたいですね。欲を言うと、内装も一通りやりたいです」とまさに男の1/1スケールのおもちゃ。
それにしても前にガバっと開くスタイルはレーシングカーそのもの。こう見えてもノーマルにいつでも戻せる状態だと言うから驚きである。カラーリングは偶然、ウレタン塗装の白、黒、緑の三色が手元に残っており、混ぜたところユーコングレーになったという。「なんていうか、偶然の産物ですね」と言う。
また、こでらねさんは通勤往復120kmの道のりにも使っており、何度かすれ違った友人からは「本当に普段の足で乗っている!」と驚かれたそうだ。
エンブレムは仕事を活かして、鋳造で製作を行い、著作権の関係で一部自己流にしている。「フロントのエンブレムは2~3日ぐらいで簡単に作れますね」というこでらねさんの発言に、友人から「ちょっと待った、普通の人は簡単に作れないし1週間から10日はかかる!」と突っ込まれていた会話が印象的だ。
1年後の再開を待ちわびて来年の進化具合に注目をしたい。