タクシーの事故には事業者も運転者もかなり厳しいペナルティがある! (2/2ページ)

運転のプロだからと加湿割合が逆転することも!

 また、頻繁に事故を起こすと(事故惹起者)、事業所で安全運転講習を受けることになり、事業所によってはその期間は乗務停止になることもあるようだ。

 物損でサイドフェンダーが凹んだなど、比較的軽重な事故ならば、中堅タクシー事業者ぐらいならば、自社整備工場を持っているので、そこで半日もあれば修理できてしまうのである。タクシー会社には部品取り用の廃車車両を保存していたり、リビルトのドアパネルを多数ストックしている。つまりタクシーの修理で新品の部品が使われることはかなり稀となっているようである。

 面倒なのは人身事故が起きてしまった場合。死亡及び重傷事故を含む、国土交通省が定めた重大事故が発生した場合、タクシー事業者は監督官庁である運輸支局長を経由して国土交通大臣に重大事故報告書を提出しなければならない。報告書提出後に当該事業所の監査が行われる。監査の際に帳票不備などが見つかれば、その発見した不備によって、交通違反の違反点数のようにカウントしていき、一定台数のタクシー車両の“ナンバー封印解除”などの行政処分が課せられてしまうのである。

 ナンバー封印解除とは、ナンバープレートを持っていかれるので、当該車両での営業運行はできなくなり、どんなに頑張っても100%所有車両を稼動させることができず、収益へ悪影響を及ぼしてしまうのである。

 なお、聞いた話では、車両同士の物損事故で相手方にかなりの割合で過失があるようなケースでも、警察の現場検証では、タクシードライバーはプロだからということで過失割合が逆転するなど、より厳しい目で見られることが多いとも聞いている。

 タクシー運転手の行政処分(違反)も、累積して免停になると厄介なこともあり、スピード違反などの行政処分を受けたら事業所に報告義務があり、場合によってはしばらくの間乗務停止になることもあるということだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報