運転手にとってはハイヤーよりもタクシーのほうがラク!? 両者の違いとは

利用客にエグゼクティブ層が多いハイヤーは無茶ぶりも多い!

 タクシーは駅前やホテルなどの乗り場で乗客がくるのを待ったり(着け待ち)や、お客からの配車オーダーを無線センターから受けて指定場所に迎えに行ったり、都市部なら街中を流して、手を挙げた乗客を乗せるなど、不特定多数のひとが常時利用する公共交通機関として位置付けられるものとなる。料金計算はメーターにより、利用した距離と時間を併用して加算されていく。ハイヤー

 一方のハイヤーは事前予約制となり、企業の役員の移動手段や、新聞社やテレビ局などの報道機関、その他重要人物の送迎などに使われるもので、タクシーのような公共交通機関というものとはかなりイメージが異なるものとなる。

 料金は貸し切った時間と利用した距離で、それぞれ設定されるものが基本となるようだだが、企業が役員送迎用にハイヤーを貸し切るなど、契約内容によってそれぞれ料金体系は異なってくるようである。料金についてはお客を乗せている間だけでなく、ハイヤーの車庫を出て(出庫)から、車庫に戻る(帰庫)までの間がカウントされる。 

 報道機関なら社有車を記者などが自ら運転して取材先へ行けばいいのではないかという話もあるが、仮に取材先へ向かう途中に物損事故を起こして警察を呼んだとすると、3時間ほどは事故処理で足止めを食ってしまうが、ハイヤーの場合は代替え車が手配されるので、時間のロスを最小限度に押さえることができるのである。

 同じような理由で、選挙の投票箱がタクシーで運ばれることがある。これも移動中に事故が発生したときの時間のロスを最小限に押さえるためとされている。

 ハイヤーは企業役員など、いわゆるエグゼグティブの利用が多いので、運転手もより接客接遇や運転技術も含めて優秀な人材がそろっているとされている。

 ただハイヤー運転手の経験のあるひとに、「タクシーとハイヤーの運転手はどちらがいいですか?」と聞いたら、「タクシーのほうが楽かなあ」と答えてくれた。理由を聞いたところ、社会的地位の高いひとがお客なので、かなり“無茶ぶり”をされることも多いとのこと。

「軽井沢へゴルフに行くというので送っていき、終わったのでそのお客を乗せて東京に戻ろうとしたら、『ちょっと急用ができたので1時間30分で帰ってくれる?』なんて平気で言われることはザラだったよね(冗談でなく結構真面目に)」とのことであった。

 ある企業の専属でしかも、担当役員も専属となるような場合では、担当するお客のキャラター次第では心労も多くなるようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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