市販されていれば人気車間違いなしのコンセプト
今年は東京モーターショーイヤーということで、今からどんなクルマが登場するのかワクワクしている人も多い事と思う。毎回魅力的なクルマが登場し、これが市販されたらいいなあと思っていたのに、結局販売されずにガッカリした経験がある人もいるだろう。そこで今回はモーターショーに登場しながら、市販には至らなかったモデルを再発掘したい。
1)マツダ・MS-X(1997年)
「新世代のマルチパーパスセダン」がコンセプトで、全長4645mm×全幅1700mm、2リッターエンジンを搭載する5ナンバーサイズとアナウンスされていた。また、全高も高く見えるが1530mmに留めており、同年のトヨタブースに展示されたNC250(のちのプログレ)と近いコンセプトであった。
ここでピンときた方もいるかもしれないが、これは後年デビューするホンダ・フィットのセンタータンクレイアウトと同様のものである。また、余談ではあるが、デザインに既視感があると思ったら、キャデラック・CTSにそっくりだと感じた。もちろんキャデラックのほうが後発である。
2)スズキ・EVスポーツ(1999年)
スズキの軽オープンスポーツとして未だに高い人気を誇るカプチーノ。残念ながら1998年に生産終了してしまっているが、翌1999年の東京モーターショーに登場したのがこのEVスポーツだった。全長3395mm×全幅1475mm×全高1150mmと軽自動車枠内に収まるサイズで、名前の通りEVパワーユニットをミッドシップに配置し後輪を駆動するモデル。さらにフロントに2気筒393㏄のエンジンを搭載し、緊急時はフロントを駆動して走行することが可能と言われていた。さすがにEVスポーツは時期尚早と思えたが、これは次期カプチーノのデザインコンセプトではないかと新型のデビューを心待ちにしていたが、残念ながらそれは実現しなかった。
3)日産・アクシー(1999年)
今でこそセンターピラーを廃して乗り降りしやすい大きなドア開口部を持つ車種が多く登場しているが、その先陣を切ったのは1982年に日産が世に送り出したプレーリーであった。
その日産が1999年の東京モーターショーに展示したのがこのアクシーである。プレーリーと同じくセンターピラーレスのスライドドアを持ち、ベビーカーや車いすでも乗り降りが容易というのが最大の特徴だった。助手席は取り外しが可能となっており、リヤシートも310mmのロングスライドが可能なセパレートタイプとなっていた。
さすがにフロントガラス下に配置されたヘッドライトはやり過ぎ感が否めなかったが、ちょうど現在のトヨタ・ポルテに近いボディサイズで、販売されていたらある一定の支持は得られていたのではないだろうか?
なお、言うまでもないが今年5月に旭化成が発表したEVコンセプトカーのアクシーとはまったく関係がない。