脱脂してオイル系の汚れを洗浄するケミカル
クルマのメンテナンスには、油汚れがつきもの。そうしたオイル系の汚れを洗浄するのに重宝するケミカルが、いわゆるパーツクリーナー。ブレーキクリーナーあるいはブレーキ&パーツクリーナーといった商品も、成分、用途ともに基本的に同じと考えていい。成分は「脱脂族系炭化水素、アルコール類」。
もともとは、ブレーキローターやキャリパーなど、ブレーキ装置に付着したブレーキダスト(かつてのアスベスト等も)、グリース、オイルなどをきれいに洗浄するためのものなので、これらの汚れを落とすことを得意とする。
また、ブレーキ以外でも、油脂類やカーボン等の汚れを素早くきれいに落とせるので、エンジンオイルの滲み、ミッションオイル、パワーステアリングフルード、グリース類などが付着ししている部分に、サッとスプレーしてウエスで拭き上げれば、クリーニング完了。クルマのメンテの基本は、洗浄と注油。
金属系の機械部品の洗浄は、パーツクリーナーとウエスがあれば、非常にはかどる。ただし、ゴムやプラスチックなどの樹脂、塗装面にはダメージを与える可能性があるので、なるべく直接スプレーしないように気をつけよう(多少は大丈夫)。製品によっては、ゴム類に優しいタイプもあるので、購入時に確認してみるといいだろう。
その他、ステッカーを貼るときや塗装前の簡単な脱脂に使ったり、シールやステッカーを剥がした後に残った糊なども、このパーツクリーナーをひと吹きするときれいに落とせる。決してオススメできないが、整備作業で手についた油汚れも、パーツクリーナーで洗い流すという方法をとる人も……。
応用としては、アイドリングが不調になったとき、パーツクリーナーをインマニ付近に吹き付けて、アイドリングが変化すれば、インマニのガスケットが抜けていると判断できるといった使い方もある(GT-RのRB26エンジンの純正インマニガスケットが紙製なので、こうした症状が少なからずある)。
また、ゴキブリや蜂などを退治するのにも、パーツクリーナーが非常に有効だというのも、裏技のひとつとして知られている!? ただし、パーツクリーナーは火気厳禁! 使用するときは、屋外で、火気の近くでは絶対に使わないように。安価で、クルマ以外にもバイクや自転車などのメンテにも使え、何かと便利なケミカルなので、機械いじりが好きな人は、一本常備しておくことをおすすめする。