エンジンそのものよりも表面に出ない装備面での差が大きい
世のなか、およそ大盛りは高くなりますよね。だから排気量も大盛りになれば、クルマの価格も高くなるのは当然ですよね。だから同じモデルでも、1.3リッターよりも1.5リッターのほうが、または1.5リッターよりも2リッターのほうが、価格設定が高くなっています。
しかし、たとえば同じ直列4気筒であれば、基本的にエンジンの部品点数は変わりませんね。ピストンは4つ、バルブは16本というのは同じですね。もちろん排気量が大きくなるということは、ピストンもバルブもサイズが大きくなっている場合が多いと思います。
その価格差の中身を少し考えてみましょう。
同じ系統のエンジンで同じ構成だとすると、おそらくエンジンの製造コストは大きく違わないと思います。しかしモデルの価格差はしっかりとあります。
ただし排気量が大きくなると、結果としてトランスミッションの容量が変わってくる場合があります。大型のトランスミッションは、当然高価になりますね。とはいえ1.3リッターと1.5リッターであれば、エンジントルクは10%くらいしか違いませんから、共用化は可能でしょうが、1.5リッターと2リッターでは30%も違いますから、別のトランスミッションになることでしょう。
しかし装備レベルが違うことのほうが、価格への影響は大きいと思われます。それはカタログの装備表に載っている装飾的な装備ではありません。排気量が異なっても、装備表が同じという場合もありますから。そういうものではなく、もっと基礎的な装備です。
たとえば防音・遮音性能があります。遮音材を追加したり、厚いガラスに変更したりするケースがあります。これは燃費を徹底的に追求するために、ベーシックなモデルでは遮音材をギリギリまで減らし、薄いガラスを使って、軽量化しているのです。
排気量が上がり、ユーザーの燃費に対する要求が相対的に下がると想定できるので、その分だけ快適性を向上させるということです。カタログにも書いてありませんから、乗り較べて初めてわかります。
とはいえ価格差の一番大きな要素は、付加価値です。排気量が大きくなるとパワーやトルクが上がり、速く快適にドライブすることかできます。そもそもクルマというのは、過剰性こそが商品価値です。だから、その過剰性がさらに高まる大排気量化は、商品価値が高まって当然で、だからクルマの価格も高くなるのです。