RX-7とマーク2で闘った決勝戦で箕輪選手が圧巻の追走
2017シーズンも残り2戦となるドリフトマッスル第4戦は、日本海間瀬サーキットに舞台を移しての一戦。まだまだ夏の暑さが残る9月9日(土)~10日(日)の2日間の日程で開催された。今回も、エントリー台数はマッスルクラスで30台(1台欠場のため29台が出走)、スーパーマッスルクラスで31台(こちらも2台が欠場となった)と、これまた参加台数の多い一戦となった。
ドリフトマッスルは、土曜にマッスルクラス予選および決勝追走トーナメント、日曜日はスーパーマッスルクラス予選および決勝追走トーナメントがスケジュールに組まれている。サーキット周辺の水田では稲穂が大きく垂れさがり、収穫も間近といった状況だったが、この週末は両日ともに好天。サーキットをぐるりと取り囲む山々からは蝉しぐれが降り注ぎ、まるで真夏といった厳しい暑さのなかで、想定以上に路面温度・気温とも上昇するという状況であった。
日本海間瀬サーキットは、山間に設けられた全長2000mで14個のコーナーを持つ、高低差28.9mのコース。このドリフトマッスルではバックストレッチから最終コーナー脱出までの区間を使用して審査を行なう。各クラスによって審査のレベルは異なるが、スーパーマッスルクラスでは、第2ヘアピンのクリップについた時点できちんとフロントマスクが最終コーナー側に向いている(ドリフトの態勢になっている)こと、最終コーナーではクリップから離れないこと、そして何よりも魅せるドリフトであることといった注意事項がブリーフィングで伝えられる。
9日(土)に開催となったマッスルクラスでは、野島卓弥選手(#31 B-style サバビア/S13)が、予選14位からのまさかの大逆転で優勝を飾っている。マッスルクラス2位には、斎藤久史選手(#51 mature with 宮精機/RPS13)、そして3位に米内寿斗選手(#83 ガレージTSR 180SX/RPS13)が3位に入った。表彰台に並んだのは、前戦菅生と同じ顔触れであった。
そして迎えた10日(日)。スーパーマッスルクラスの走行となる。タイヤに厳しい間瀬では3セットという使用制限がボディブローのように効いてくる。予選通過、そして決勝での戦い方を考え、午前中の2回の練習走行をどう使うか? そもそも、追走トーナメントに進出できるのは16台のみ。半数近くが決勝追走へ進出できないということで、予選も大事、しかし、決勝にタイヤを残しておきたいと、タイヤのマネジメントに苦慮することになる。
予選単走では、AとB、2グループに分けられての走行となる。Aグループは主にスポット参戦組、そしてBグループはレギュラーエントリー組となるのだが、そのAグループから、進入速度105km/h以上のドライバーが続出し、もちろんドリフトアングルも薄いと言わせない走りを披露。
なかでも最上弦毅選手(#813 日比野塾 ZESTINO Proμ 180SX/RPS13)の走りには、土屋審査員長も「110km/hにのるとは思わなかった」とコメント。Aグループがまさかの高得点を出す展開は、もちろんBグループのケツに火を着けることに。予選ではベスト16に残ればいいのだが、ここで箕輪慎治選手(#23 HEY!MAN ツアラー/JZX100)が進入速度112km/hを出して意地を見せる。
決勝追走トーナメントでは、トップランカーたちが順当に競り勝っていく。もちろんD1ドライバーでもある箕輪選手も温存してきたタイヤを使い、ここで一気に仕掛けていく。
中でも圧巻だったのが、決勝戦。前戦優勝の大金良隆選手(#7 MAD FACE FD3S/FD3S)と箕輪選手の追走。「すごい! ヘアピン立ち上がりで横にいて。そのあと引いているのに離れない。大金は、あれでは何もできない」と土屋圭市審査員長も興奮のすごい追走を魅せてくれた。
結果、優勝は箕輪選手、2位に大金選手、そして3位にはランキングトップの前田 翼選手(#74 ZESTINO オディエイティー/RPS13)となった。前田選手のランキングの座は揺るがなかったものの、開幕戦に引き続いて、今季2勝目を挙げた箕輪慎治選手がランキング3位から2位へ浮上(-13ポイント)。そして前回優勝し、今回も2位と大健闘の大金良隆選手も4位から3位へとポジションアップ(-23ポイント)。逆にランキング2位につけていた平岡英郎選手が4位へとポジションを下げることとなった。
さぁ、2011年にスタートした「ドリフトマッスル」も今季限りで、残るは最終戦となる日光ラウンドを残すのみとなった。最後のドリフトマッスル王者は誰になるのか? ドリフトマッスル第5戦は10月28日(土)、29日(日)に日光サーキット(栃木)での開催となる。