バスの時刻表は「通過予定時刻」が記されている
バス停でバスを待っていて、時刻表の時間をとっくに過ぎているのにバスがなかなかこない、といったシチュエーションはよくあること。じつは路線バスについては、バス停の時刻表は“通過予定時刻”が記されているものであって、電車のように確実な到着時刻を記したものではないのである。その旨はバス停の時刻表の注意書きとして書かれているのを以前見かけたことがある。
発車バス停では時刻表どおりの発車を意識して、到着時刻と発車時刻に余裕を持たせるようにしているが、道路渋滞などにより始発バス停での発車時刻すら遅れる路線も少なくない。
日本の路線バスはバス停に乗車希望客や降車する乗客がいなければ通過するのが一般的。ちなみに中国では日本のように降車意思を運転士に知らせる“降車ボタン”はなく、その代わり全部のバス停に停車していく。実際ロサンゼルスやニューヨークで路線バスに乗ったときには、時刻表というものは存在せず、とくに自動車社会の著しいロサンゼルスでは運行本数もそれほど多くないようで、いつくるかわからないバスを15分や20分待つのはザラであった。
ただし、バス停の時刻表より早くバスがやってきて通過したりすることはない。いつも渋滞の激しい路線で、それを意識して運行予定を作成していて、たまたま道路が空いていれば、運転士はバス停に停車して時間調整を行っている。
頻繁に利用する路線で、ある日おしゃべりな運転士のバスに始発バス停から乗り込んで、発車を待っていると、「同じ路線でも平日と休日では運行時間が違うんですよ」と教えてくれた。
平日より渋滞の少ない休日は、バス停間の移動時間が短くなっているとのこと。つまり始発A停留所から終点B停留所までの所要予定時間が運行予定表の段階で平日に比べ休日は短くなっているのである。平日に比べるとそんなにクルマが少なくないときもあるようで、運行時間に若干の無理が生じて、結構ハードになることも多いとその運転士は語ってくれた。
渋滞が頻発してバスの運行時間が常態的に乱れる路線では、その遅れ幅まで読み込んでバス停にやってくるヘビーユーザーも多く、たまに道が空いていて予定どおり運行しているときに、バス停まで走ってくる光景を目にすることも多い。
あくまで予定、されど予定。時刻表に書かれている時間までにはやはりバス停にきているほうが良さそうだ。