他車両などの交通の妨げにならなければ問題ない
信号待ちの合間に、運転手を交代したり、トランクの荷物を取り出したりするシーンを見かけるが、あれははたしていいのだろうか。結論から言えば、後続車の発進の妨げにならなければ、基本的に問題なしと考えていい。
たとえば、後部から異音がするとか、トランクがしっかり閉まっているか確認したい、給油口が開いている、etc.と、安全上の理由だってあるだろうし、そうでない理由でも、周囲に迷惑をかけなければOKだろう。
ただし、信号待ちで停車中とはいえ、路上でドアを開けることになるので、後方から自転車やバイクが来ていないか、周囲に歩行者がいないかどうかは、十分に安全を確認してクルマを降りる必要がある。駐停車しているクルマのドアが開いたことによる交通事故、いわゆる「ドア開き事故」は、年間で2000件以上発生している。
「ドア開き事故」の相手は、67%が自転車で、19%がバイク、歩行者は7%、残りはその他という割合だ。この「ドア開き事故」の原因の9割以上は、クルマ側の後方安全の不確認。たとえ、ドライバー以外の同乗者がドアを開けたときに、「ドア開き事故」が起きてしまったとしても、ドライバーが責任を問われることになるので注意が必要だ。
道路交通法第71条4の3 『運転者の遵守事項』
「安全を確認しないで、ドアを開き、又は車両等から降りないようにし、及びその車両等に乗車している他の者がこれらの行為により交通の危険を生じさせないようにするため必要な措置を講ずること」
また、一瞬でもクルマを降りる際は、ギアをニュートラルに入れ、きちっとサイドブレーキをかけ、自車が停止の状態を保つため必要な措置を講ずることも欠かせない。停車中のクルマが、サイドブレーキが効いていない、あるいは甘かったために動き出して、追突事故を起こした例は珍しくないので、坂道はもちろん、平地でもこれは徹底してもらいたい要素。
ただ、よほどの急用でない限り、路上で信号待ちの間ではなく、駐車場なり、他の車両が気にならない場所に移動して、落ち着いた環境で運転手を交代したり、外に降りたりするのが基本だろう。