ひそかに50周年! 荷物も人も運び続けたトヨタ・ハイエースを振り返る (2/2ページ)

3代目はさらに高級ワンボックスの要素を高めた

3代目(1982~1989年 トラックは1985~1995年)

 先代で高級ワンボックスワゴンとしての地位を得たハイエースは3代目でさらにその性格を強め、ワゴンのリヤサスペンションにコイルスプリングを用いた4リンク式を採用。これにより、乗用車的な快適な乗り心地を実現している。

また、上級グレードには大型の電動サンルーフを用意したり、デジタルメーターを装備したりと豪華さにも拍車がかかっていた。ちなみに現在のミニバンでは当たり前のオールフルフラットシートを日本で初めて採用したのは、この3代目ハイエースワゴンであった。

 なお、トラックは先代が継続販売されていたが、1985年にフルモデルチェンジ。型式こそハイエースのものを踏襲していたが、ダイナやトヨエースの兄弟車となっている。

4代目(1989~2004年 トラックは1995~2001年)

 トヨタ自ら「90年代にふさわしい、トヨタの最上級ワンボックス車の誕生」というほど豪華絢爛な装備を纏った4代目ハイエース。その装備は、トリプルムーンルーフ、電動スライドドア、パワーシート、オーバーヘッドモニター、ハンズフリー電話、クリアランスソナーといった具合で、現代の高級車と同等のものだった。

 一方のバンはより一層タフで使い勝手の良い商用車としての熟成が進み、ハイエースの2極化が進んだ世代と言えるだろう。余談だが、このハイエースをベースとした高規格救急車であるハイメディックには、当時のセルシオに搭載されていたV8 4リッターの1UZ-FE型エンジンが搭載されている。

5代目(2004年~)

 なんと15年ぶりのフルモデルチェンジとなった5代目ハイエースだが、高級化の一途を辿っていたワゴンを廃止し(アルファードへ移行)、バンとコミューター(10人乗ワゴン含)というシンプルなラインアップとなった。

一方でボディバリエーションは豊富で、ロング・標準ボデー幅・標準ルーフ/ハイルーフ、ロング・幅広ボデー・ミドルルーフ、スーパーロング・幅広ボデー・ハイルーフの設定がある。ワゴンが廃されたことで商用ユーザーがメインとなると思いきや、そのボクシーなスタイルがカスタマイズを楽しむユーザーに受けたほか、その汎用性の高さからキャンピングカーやレジャーのトランポとしてなど、幅広いユーザーに支持を集めている。

 50年の歴史を持ちながらもまだ5世代目というハイエースは、短いスパンでフルモデルチェンジが行われる国産車において異例の存在と言えるが、それだけ個々の完成度が高いという裏返しなのかもしれない。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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