この記事をまとめると
■クルマのバッテリー上がりはよく起こるトラブルのひとつだ
■バッテリー上がりの要因でもっとも多いのは、「ライト類の消し忘れ」だという
■ヘッドライトはどれぐらいつけっぱなしにするとバッテリーが上がってしまうのか解説する
容量40Ahのバッテリーでヘッドライトを点けっぱなしだと約5時間
JAFによると、「バッテリー上がり」の要因の第一位は、「ライト類の消し忘れ」(51.7%)というデータがある。ライトにはヘッドライト、スモールランプ、ルームランプ、さらにはハザードランプの消し忘れなどが考えられるが、これらをつけっぱなしにしていると、どれぐらいでバッテリーが上がってしまうかは、正確なところはわからない。
というのも、クルマによってバッテリーの容量が違うし、充電状態も、バッテリー自体の劣化具合も大きく異なるからだ。とはいえある程度の目安がないと困るので、およその手掛かりを探ってみよう。まずバッテリーの容量。
国産の自動車用バッテリーは、カタログ等に「5時間率容量 ●Ah」とその容量が記載されている。「5時間容積量」というのは、完全充電したバッテリーを容量の5分の1の一定電流で放電し(25℃)、放電終止電圧の10.5Vになるまでの電流(A)と時間(h)の積でバッテリーの容量を表した数字のこと。
バッテリーは、ある程度使用すると急激に電圧が低下し、放電能力を失ってしまう。その安全に放電を行える放電電圧の最低値のことを、放電終止電圧という。具体的には、5時間率容量=40Ahのバッテリーなら、8A×5時間=40Ahなので、8Aの電流を5時間取り出せる性能がある。
次にクルマのライト類の消費電力を見てみよう。
ヘッドライト(ハロゲン球 Lo)は、8.0~9.5A
スモールランプが、3.0A~4.0A
ハザードランプが、4.0~8.0A
ルームランプが、0.9~1.2A
(いずれも普通車)
ということは、新品の5時間率容量40Ahのバッテリーが、100%充電されていた状態でも、ヘッドライトをつけっぱなしにすれば、最大でも5時間で空っぽに……。同条件でスモールランプなら約10時間、ハザードランプだと5~10時間。ルームランプだと約40時間という計算になる。