フェラーリの新世代FR2+2オープン「ポルトフィーノ」がフランクショーで世界初公開!

カリフォルニアの後継モデルとして登場

フェラーリのエントリーモデルにして、電動リトラクタブルハードトップを備えたFR2+2シータースーパースポーツ「カリフォルニアT」がついに世代交代。その後継車「ポルトフィーノ」が、9月12日から開催されるフランクフルトモーターショーでワールドプレミアを飾ることが正式発表された。フェラーリ・ポルトフィーノ

世界各国から優雅さ、軽快さ、抑制のとれた華やかさの代名詞として知られている、絵のように美しいイタリアの港町の名が与えられた「ポルトフィーノ」は、フェラーリ・デザインセンターの手により、リトラクタブルハードトップを搭載したクーペコンバーチブルでは前例のない2ボックスファストバック構成のスタイルを採用。よりスマートかつスポーティなシルエットを形成している。

フェラーリ・デザインセンターが追求したのは美しさだけではない。スーパースポーツに求められる超高速域での操縦安定性を確保しつつ空気抵抗を低減するため、開発段階からエアロダイナミクス部門と密接に連携して、「ポルトフィーノ」のエクステリアを設計した。

ノーズの左右両端まで広がる大型のラジエターグリル開口部は、より水平なフォルムとなった新デザインのフルLEDヘッドライトアッセンブリーによって強調。ヘッドライト外側のエッジには、フロントのホイールアーチを経て側面に沿って気流を排出し、ドラッグを軽減するエアインテークが隠されている。

リヤまわりは、左右テールライトの距離をさらに離すことによってワイド感を強調しつつ、より低速で開閉する軽量デザインの新設計リトラクタブルハードトップを美しく収納するのにも一役買っている。

室内に目を移すと、10.2インチタッチスクリーン画面のインフォテインメントシステム、助手席ディスプレイ、新型ステアリングホイールのほか、新デザインのバックレストにより後席足もとスペースの大幅拡大にも寄与している、18通りに調整可能な電動フロントシートを装着。

さらに、オープン走行の際にキャビンへ流入する空気を30%削減し、風切り音を低減させる新ウインドディフレクター、ルーフを開いた時も閉じた時でも快適性を向上させる新エアコンシステムを採用。ドライバーのみならず同乗する助手席や後席の住人も快適に、フェラーリでしか味わえない快音と卓越したパフォーマンス、そして「ポルトフィーノ」ならではのオープンエアモータリングを堪能できる1台に仕上げられている。

これに伴い、最新鋭製造技術を導入してボディシェルの全コンポーネントを完全に新設計。カリフォルニアTから大幅に軽量化されるとともに、ねじれ剛性も高められたという。 2016年と2017年のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーに選出された3855ccの90度V8ターボエンジンは、新型ピストンとコンロッドの導入をはじめとして吸気システムを改良。

一体成型鋳造エグゾーストヘッダーも新設計することによりロスを低減しながら、選択したギヤによって伝達トルクを調整するバリアブルブーストマネジメントも組み合わせた。 これにより、フェラーリの特徴であるゼロターボラグを実現しながら、最高出力は「カリフォルニアT」より40馬力もアップし600馬力の大台に到達。

これを7500rpmで発生し、最大トルクも760Nmを3000~5250rpmで叩き出し、ターボながらフェラーリらしい超高回転高馬力型、かつ有り余るトルクを極めて広範囲で生み出すパワーユニットに仕上げられている。

その結果、0-100km/h加速は3.5秒、最高速度は320km/h以上を達成。なおかつ欧州複合サイクル燃費は10.5L/100km、CO2排出量は245kg/kmに抑えられた。

また、第三世代の電子制御リヤディファレンシャル「E-Diff3」が搭載されるとともに、トラクションコントロールシステム「F1-Trac」を、このクラスでは初の電動パワーステアリングと統合制御することで、高速走行時の安定性を犠牲にすることなくステアリングレシオを7%引き下げ、ステアリングレスポンスを向上させた。

そして、磁性流体(MR)ダンピングシステム「SCM-E」は、デュアルコイルテクノロジーの採用によってロールが抑えられ、荒れた路面における衝撃吸収能力が高められている。

全長×全幅×全高=4586×1938×1318mmのピッコロ・フェラーリながら、600馬力/760N・m、最高速度320km/h以上の超高性能を手にし、なおかつスタイルとハンドリング、そしてオープン走行時の快適性も磨き上げた「ポルトフィーノ」。

ここにまた、1日も早い日本上陸が渇望されてやまない、新たなるフェラーリが誕生した。 その詳細は9月12日、フランクフルトショーの場で明らかにされる。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
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