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輸入車に左ハンドルで乗るメリットとは? (2/2ページ)

輸入車に左ハンドルで乗るメリットとは?

やはり細部は左ハンドルで扱いやすいように作られている

 左側通行の日本では、左ハンドルよりも右ハンドルのほうが圧倒的に運転しやすいのは揺るぎない事実。ドイツ御三家ではほどんどの車種に右ハンドルの設定があり、販売比率も高め。イタリアやフランスのブランドも、日本仕様は一部のスポーツモデル以外、右ハンドル車を主力としている。

「左ハンドル=高級外車の象徴」というステイタス性も昔より薄れた。プジョー206やアルファ145など、かつてのイタリアとフランスのラテン系小型車では右ハンドルになるとペダルレイアウトが明らかにおかしくなってしまうなど、右ハンドル化の弊害が顕著になることが多かったが、今のラテン車のほとんどは右ハンドル仕様でもおおむね違和感なく運転できるようになっている。ブレーキのマスターシリンダーもハンドル位置に合わせた配置とする良心的な輸入車が増えた。

 しかし、それでもなお、輸入車の左ハンドルには積極的に選びたくなるメリットが失われたわけではない。やはり、右側通行の左ハンドルが基本の国で作られたクルマは、今でも左ハンドル仕様こそが100%本来の機能性を発揮するものが多いからだ。とくに、運転フィールの細部を気にするクルマのマニアにとっては無視できない部分が多いといえる。

 たとえばATのシフト。メルセデスが最初に採用したジグザグ式のゲートは、ほとんどの輸入車では右ハンドル仕様でも運転者が左側に座ることを前提としたままのレイアウトになっている。今では国産のコンパクトカーでも普通にジグザグゲートを採用しているのでイメージしやすいと思うが、人間工学的に「P」のポジションは本来運転席側にあるのが自然。右ハンドルの場合、シフト操作の流れとしてはS字を描くようなレイアウトが操作しやすい。

 しかし、輸入車の右ハンドル車のジグザグゲートの多くは助手席側に「P」のポジションがある。慣れれば何の問題もないように思えるが、左ハンドルのジグザグゲート式ATを操作すると、その自然な操作感に「ああ、これが本来の味なんだね!」と、ちょっとした感動を覚えるものだ。

  

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