300色以上のボディカラーと25色のインテリアが選択可能だった
走りはスーパーカーというよりもスポーティカー。必要にして十分な動力性能とATがもたらすイージーさは魅力。元マツダの開発ドライバーのトップガンが時間を掛けて仕上げた足まわりは前=245/45ZR18、後=285/40ZR18という偏平タイヤを装着しているが乗り心地も悪くなく、隣のパートナーから苦情が出ることはまったくない。スーパーカーの雰囲気と実用性のバランスを取られており、ファッションスーパーカーというコンセプトとじつにマッチしている。
また、インテリアが25種類、ボディカラーは300色以上から選べたのもファッションスーパーカーらしい特徴。光岡自動車の威信をかけたフラッグシップモデルであり、完全受注のハンドメイド生産だからできるオーナーに向けたスペシャルなおもてなしだといえる。発表当時の販売価格は1110万円だった。
400台完全受注の少量生産と決められたことにもこだわらず、オロチはイヤーモデル制を導入。平成20(2008)年には華飾を抑えた廉価版オロチ・ゼロ、翌年には鎧兜をイメージしたカーボン製エアロパーツを装着したオロチ・カブトをリリースした。
さらに平成22(2010)年には豪華仕様のゴールドプレミアムを発表するなど、新たなバリエーションを追加(限定数)して停滞することなく精力的に手を加えていたが、保安基準への適合と社外からの部品供給が難しくなったため、平成26(2014)年に生産終了が発表され、光岡自動車のオロチ伝説は8年間で幕を閉じることとなった。
機能的なパフォーマンスをスタイリングが凌駕したオロチ。富山県の小さな自動車メーカーが精魂込めて製作したオロチは「クルマに夢を抱く」という意味で一石を投じたクルマであることは確かだ。
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