性能はいたって普通で誰でも操れるスペック
車体はフェラーリ512TRを参考にしたというオリジナルのスペースフレーム構造で、なんとリヤはツインショック。ボディはデザイン再現性を優先したためFRPを選択。グラスクロス6枚重ねで厚さ5mmもあるもので、ボディパネルの製作には1週間もかかるという。
パワートレインはトヨタのSUV用3.3リッターのV型6気筒DOHCエンジンとアイシン製5速ATを組み合わせ、ブレーキ関係はローターとキャリパーがホンダ・レジェンド用で、マスターバックはホンダ・シビック、マスターシリンダーはホンダ・ストリームというように、ホンダから供給を受けている。内装もトヨタやマツダから調達しているが、ゼロから作ったものも多いという。
誰もが振り返る異端系のディテールを持ちながら、性能を追求していないのがオロチの面白さでもある。日本の道路環境や社会事情を考えると、過大なパフォーマンスは不要であるし、使い切れない。また、性能を高めていくと乗りにくくなる。
そこで、開発陣は「誰にでも乗れるスーパーカーにしたい」と考えたという。エンジンスペックはこの手のスーパーカーとしてはやや貧弱な233馬力/33.4kg-m。このことからもオロチが性能を追求していないことがよく分かる。ただし、35cmもあるサイドシルがもたらす乗降のしにくさ、傾斜したウインドウ、囲まれ感あるタイトなコクピット。低くセットされたシートに座った景色は完全にスーパーカー。ワクワク感は半端ない。