新堀選手は痛恨のスタックで優勝に黄色信号が灯る
8月18日(金)、アジアクロスカントリーラリー(以下、AXCR)は勝負の分かれ道となるLeg5に突入した。このLegは、リエゾン区間を含めてペクチャンブーンからパクチョンまで384.16kmを走破する。そのうち、SS区間は239.83kmでLeg4に続くロングステージだ。
SSスタートからPCストップまでの前半区間は100.56km。途中、路面はラフなことに加え穴が開いていたり、マディな泥に覆われるなど、さまざまな障害が顔を覗かせる。 PCストップを挟んだSS後半は、川やジャングル、大きな轍や穴、岩や泥など難易度の高いコース設定。この難コースを制した者がAXCR2017の勝者に近づくというわけだ。 そんななかLeg1から順調なラリーを続けてきた、Nutthaphon ANGRITTHANON選手(いすず・D-MAX)がLeg5でも盤石の走りでトップタイムを記録。対して、このLegでなんとしてもタイムギャップを埋めておきたいToyota Cross Country Team Thailandの新堀選手(トヨタ・ハイラックスREVO)は、前半のステージでミスコースしながらも懸命にトップのNutthaphon ANGRITTHANON選手を追いかける展開となった。
ところが、後半セクションで新堀選手に悪夢が襲いかかる。水が溜まったマディなトラックでスタックしたのだ。原因は「自分のドライビングミス」と本人は言うものの、いすず・D-MAXに対して車体がひとまわり大きいトヨタ・ハイラックスREVOは車両重量で500Kg以上も重く、スタックしやすいマシンでもあった。最終的にウインチを使い、同チームのJaras JEANGKAMOLKULCHA選手(トヨタ・ハイラックスREVO)に救出され、残りのセクションで猛追をかけるも万事休す。
トップを快走するNutthaphon ANGRITTHANON選手との総タイムギャップは37分36秒に広げられ、明日のLeg6のSS区間が80.27kmと短いことを考えると、逆転するのは非常に困難な状況になってしまった。なお、青木拓磨選手(トヨタ・フォーチュナー)はマシンにダメージを残すアクシデントにより、6位に後退。篠塚建次郎選手は燻し銀の走りで9位に浮上。能戸選手は11番手とひとつポジションを下げてしまった。明日のLeg6は、パクチョンからスタート地点であったアユタヤに戻る総走行距離288.45kmのラリーとなる。SS区間が80kmと短くタイムギャップを縮めることは難しいが、2009年には最終Legで大逆転という展開もあっただけに、最後までAXCRの熱いバトルから目が離せない。
Leg1~5総合結果(日本人選手のみ抜粋)
順位 ドライバー/コ・ドライバー タイム ギャップ
2位 Tadamitsu NIIHORI/Chupong CHAIWAN/37分36秒
6位 Takuma AOKI/Ittipon SIMARAKS・Katsuhiko SHIINE/2時間24分04秒
9位 Kenjiro SHINOZUKA/Eiiji CHIBA/3時間50分35秒
11位 Tomonori NOTO/Kazuhiro TANAKA/4時間13分33秒
16位 Satoshi TAKENO/Naoyuki YANAGAWA/8時間17分43秒
17位 Norihiro YAMAMOTO/Takashi TSUJIMOTO・Kazuhisa NISHIKAWA/8時間44分57秒
18位 Koichiro HAMAGUCHI/Keigo SUDO/9時間20分59秒
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アジアクロスカントリーラリー2017公式サイト