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【新型トヨタ・ハリアー詳細解説】4WDの悪路走破性と燃費を両立するハイブリッドシステム

【新型トヨタ・ハリアー詳細解説】4WDの悪路走破性と燃費を両立するハイブリッドシステム

JC08モード燃費は21.4km/Lを達成

 新型トヨタ・ハリアーのハイブリッドは、フロントに2.5リッターガソリンエンジンとTHS-Ⅱハイブリッドトランスアクスルを横置きに配置し、リヤはモーター駆動ユニットをもつ、電気式4WD(E−Four)を採用して、優れた燃費性能と路面や天候などに応じた駆動力配分と高い操縦安定性を提供する。


エンジンのボア&ストロークは90×98mmのロングストローク型で、総排気量は2493ccとなる。エンジン本体での摩擦損失を小さくして、熱損失を抑えて効率を上げるため、オフセットクランク、ウォータージャケットスペーサー、クランク軸受メタルへのマイクログルーブ加工などを採用。始動・停止が多い、ハイブリッドでの信頼性とウォーターポンプのベルト張力による耐摩耗性(ベルトでクランクが引っ張られる)を確保するために、一部に樹脂層付きのベアリングメタルを採用している。バルブの駆動はローラーロッカーアームで行ない、カムとの摩擦抵抗を極限まで小さくしている。

 アトキンソンサイクルを採用することで、レギュラーガソリン仕様でも圧縮比は12.5:1に設定され、吸気VVT−iと組み合わせたバルブ遅閉じ方式となる。また、ポンピングロスを減らすために、排ガス再循環の電子式EGRは水冷としていて吸気の充填効率と耐ノッキング性能を高めている、燃料供給はポート噴射式を採用する。

 フロントに搭載されるハイブリッドトランスアクスルは、モーターの最高出力が105kW(143馬力)で、最大トルクは270N・mを発揮する。ここにはエンジンからの動力を車輪とジェネレーターに分割して伝達する動力分割機構と、小型高回転モーターのトルクを増幅するリダクションギヤがあり、組み合わせることで最適な制御を行なう。

 また、シフトレバーをSポジションに操作すると、6速シーケンシャルシフトマチックモードに切り替わり、6段階のシフトレンジを選択できるようになる。このモードでは、各シフトレンジに応じたエンジンブレーキ力や加速レスポンスへ切り替わり、エンジン、ジェネレーター、駆動用モーターを最適に制御してレスポンスのよいエンジンブレーキ力を発生させる。さらにエンジン回転数を高く制御することで、アクセル踏み込み時の加速レスポンスが向上。

  

 リヤの駆動ユニットでは小型モーターと減速機構、ファイナルギヤ、ディファレンシャルが一体化され、フル加速や雪道などの滑りやすい路面でスムースに4WD状態に切り替える。リヤモーターの最高出力は50kW(68馬力)、最大トルクは139N・mとなっている。これらにより、システム出力は145kW(197馬力)、JC08燃費は21.4km/Lを達成している。


バッテリーはニッケル水素で、リヤシート下に2分割で搭載され、ラゲッジはガソリン車同様のスペースをキープする。

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