【剛性感との混同も】ボディ剛性って何? (1/2ページ)

よほどの人でない限り普通に走ってボディ剛性はわからない

 自動車雑誌だけでなく、カタログにも登場するのがボディ剛性という言葉です。クルマ好きの間では結構使われる用語ですが、じつは難しい用語なんですね。少し間違った使い方、あるいは明らかに違う、ということがネット上でもよくあります。クルマのベーシックな部分についての用語ということもあり、クルマ好きなら、ちゃんと使いたいですね。ボディ剛性

 ほとんどのクルマのボディは、スチールやアルミニウムといった金属でできています。スチールの場合には薄い板状のものを曲げたり、立体的にしたり、溶接したりして、クルマの形にします。板を使った構造物なんですね。だから力が入ったりすると、曲がったり、歪んだりします。曲がり難いものを剛性が高い、曲がりやすいものを剛性が低い、そう表現することになります。

 クルマの場合には、タイヤからのボディへ入力があります。正確にいえば、路面からの入力がタイヤを通じて、サスペンションを通してボディに入っていくのです。ゴムからスプリングやダンパーを通して伝わった力が、金属のボディを曲げるわけです。イメージしにくいですよね?

 よくボディ剛性が高い、あるいはボディ剛性が低い、という使い方をします。しかしじつはそう簡単にボディ剛性はわかりません。エキスパートなテストドライバーなら不可能ではないかもしれませんが、実際に普通に走行させるだけでボディ剛性を感知することは不可能です。できれば一定のGをかけ続けることができる高速コーナーが判りやすいのですが、そんな状況はサーキットに行かないとほぼ無理です。

 一般的に剛性として語られているのは、じつは剛性感なんですね。つまりボディが曲がりやすい感触があるものを剛性が低い、と言っているだけなんです。それは剛性感が低い、というのが正しい表現になります。


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