新車購入時の「レスオプション」が減少した理由とは? (2/2ページ)

消費者ニーズの多用化により装備を自分で選ぶ時代に

 しかし消費者ニーズの多様化やカーナビゲーションの普及により、“自分の好みのシステムを装着したい”という声が多くなり、かえって標準装着化が足かせとなり、ステーションワゴンやSUVなど趣味性の強い車種を中心にオーディオレスを標準状態とする車種が増えた。その一方で高級イメージを売りにするクルマの上級グレードなどでは、標準装着状態を続けながらオーディオレスオプションを設定する車種も増えてきた。

 現在の傾向としては、今どきの新車の標準装備の内容は以前よりは抑え目となっており、メーカーあるいはディーラーオプションにより、お客自らが必要とする装備を“付け足していく”というイメージが強くなっている。そのためレスオプションというものは、あまり見かけなくなってきている。

 一部高級車を除き、いまだにハロゲンヘッドライトが標準でHIDやLEDのヘッドライトがオプション設定されている車種が多いのも、その一例といえるだろう。ヘッドライトもレンタカーなどの事業用や、法人の営業用ではわざわざコストアップとなるHIDやLEDヘッドライトは敬遠されるので、一元的に統計をとるとHIDやLEDヘッドライトの装着率はわれわれが思っているほどは高くないので、標準装着せずにオプション扱いとなっているようである(降雪地域を考慮しているという理由もあるようだ)。

 またオプションを細かく増やすことは、生産工程を増やすことになり、オプションコードが増えるとコストアップにもつながるので、複数のオプションを一括装着する“セットオプション”というものも主流となっている。そのようなこともあり、今ではレスオプションを設定する車種は少なくなっている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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