クルマで走行中は少し窓を開けたほうが良いというのはホント?

安全運転に必要な音や声が聞こえないと違反

 暑い季節、エアコンを利用しているときは、誰もが窓を閉め切って運転しているはず。しかし、遮音性や密閉性が高い今のクルマは、少し窓を開けておいたほうがいいという意見も、少数ながらあるようだ。ウインドウ

 教習所では、踏切を通過する場合は一時停止とともに窓を開けて安全を確認することを、強く指導していたが、道路交通法上は義務ではない。

 ただし、「安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと」という規則はあり、クラクションや緊急自動車のサイレン、警察官による指示などが聞こえなかったとなると、違反の対象になる可能性がある。

 これは、大音量でオーディオを聞いていたり、携帯電話のハンズフリー機能(イヤホンの有無にかかわらず)の利用、同乗者とのおしゃべりに夢中だった、等の理由を問わず問題になる。

 そういう意味では、走行中は少し窓を開けておいたほうが、周囲の音を聞くという意味ではベターだが、当然いくつかデメリットも……。

 例えば

・エアコンの効率が落ちる

・外の騒音が聞こえる

・排気ガスや、ホコリ、匂い、虫などが入ってくる

・雨、風が入ってくる

・花粉が入ってくる

 こうしたことを考えると、日常的に窓を開けて運転するのは現実的ではない。もちろん、海沿いの道や高原など、自然の風が気持ちがいい道でのドライブや、車内の換気をしたいとき、窓が曇るようなとき、タバコの匂いや食べ物、飲み物の匂いがこもったときなどは、積極的に窓を開ければいいと思うが、基本的に窓を開けて走る義務はどこにもないので、気が向いたときに、窓を開けた方が心地よいと思えば、各自の判断で開ければいいのではないだろうか。

 安全上の観点でいえば、「あれ、近くでサイレンが鳴っているかも」といった具合に、ちょっと外の音が気になったときは、少々面倒でも、オーディオの音を絞ったり、窓を少し開けて、周囲に気を配れるようにしておきたい。周囲の音に無頓着にならず、臨機応変に聞き耳を立てて安全運転を心がけてほしい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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